◇「南港タイヤ世界明珠新築工事」順調/創業100周年の信頼へ
熊谷組の台湾現地法人として1974年に設立した華熊営造。この50年で二重らせん構造の共同住宅「陶朱隠園住宅」や超高層ビル「国際金融センター101ビル」(通称・台北101)など特徴的な建造物を数多く手掛けてきた。超高層複合ビル「台北ツインタワー」同様に、これまでの実績が評価されて受注した案件の一つに、オフィスビルと住宅のビル群「南港タイヤ世界明珠新築工事」がある。
南港タイヤ世界明珠新築工事は、台北市の東の玄関口として開発が進む南港駅前の南港タイヤ工場跡地に、高層オフィスビル2棟と高層住宅6棟を建設するプロジェクト。事務所棟は逆打ちS造、住宅棟は逆打ちSRC造で地下4階地上26~30階建て総延べ約22万平方メートルの規模。中鹿営造・華熊営造JVが施工を担当。計8棟(A~H棟)のうち華熊営造は4棟(E~H棟)を施工している。工期は2020年1月~25年7月。
華熊営造の技術力を示す現場を指揮する清水俊一工事長は「台湾では住戸部は躯体だけのスケルトン渡しが一般的だ。室内の内装は今後、入居者が設計事務所や設備工事会社らに委託して住居ごとに進めることになる。設計変更も多く、日本の現場と違うところが多かった」と振り返る。
華熊営造は創立100周年に向けて▽「台湾での安全・品質NO.1」を会社の目標に掲げ実践していく▽常にお客さまに寄り添う形でものづくりの現場を運営する▽華熊社員とその家族の幸福度向上を目指した企業であり続ける▽台湾人、日本人が共通して重視する「誠実さ」「勤勉であること」を忘れない▽台湾社会で市民に愛される会社を目指す-の五つを掲げる。
創立50周年記念誌で熊谷組の上田真社長は「熊谷組は創業127年を迎えた。人々の暮らしや価値観は多様化している。環境変化に迅速に対応すべくこれから次の50年、100年に向けて、華熊営造と熊谷組グループはスローガンである『持続的成長への新たな挑戦』を続けていく」とコメントを寄せた。
現在施工が進むプロジェクトも実績となる。完成後の建造物だけでなく、建設過程も含め品質や安全などが評価される。その積み重ねが、華熊営造創立100周年に向けた信用へとつながる。=おわり(編集部・野中駿太)
from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=174214
via 日刊建設工業新聞


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