東京ガスが脱炭素社会の実現に向け、新たな取り組みを展開している。東京都と組み、メタン・二酸化炭素(CO2)で構成する消化ガスと、グリーン水素を原料にした「e-methane(eメタン)」製造の実証実験を実施。ここで得た知見を使い、eメタンやバイオガスの有効活用に向けた道筋をつける。「2030年に都市ガス供給量の1%導入を目指す」(吉田範行東京支社長)考えだ。
数ある技術の中で同社がeメタンを選んだのは、国内エネルギー消費の6割を占める熱需要の脱炭素化に有効だからだ。加えて、既存の都市ガスパイプラインや顧客が持つ燃焼設備をそのまま使うことができ、コストを抑えることができる。実証実験で得られた技術は精度を高め、将来的にはアジアをはじめとする海外に展開。グローバルで脱炭素化に貢献する方針だ。
今回の実証実験で使う水素は都の京浜島グリーン水素製造所(東京都大田区)で造っている。eメタンを製造するメタネーション装置は都の森ケ崎水再生センター(同)近くに設置。同装置に水素と水再生センターの消化槽で発生した消化ガスを取り込む。同装置は水再生センターの施設とパイプでつながっているため、消化ガスを連続的に供給できる。1時間当たり260軒が消費するガスを製造できるという。
京浜島グリーン水素製造所と森ケ崎水再生センターは約1・5キロ離れている。水素は1週間に2回、メタネーション装置近くまでカードルで運んでいる。
同社は従来、eメタン製造の実証実験を横浜テクノステーション(横浜市鶴見区)で行っている。グリーン水素とごみ焼却場排ガスから回収したCO2を原料にしている。吉田支社長は「横浜テクノステーションと森ケ崎での実証を経て、将来的には革新的な技術を導入し、さらなる効率化とコストダウンを目指したい」と話した。
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