都道府県のうち、工事だけでなく設計や調査、測量などの業務にスライド条項を既に導入しているのが4団体、導入を検討しているのが19団体に達することが、国土交通省の調査で分かった。政令市のうち10団体も検討段階にあり、地方自治体発注業務でもスライド請求できる環境は徐々に拡大するとみられる。中東情勢などを背景に物価変動の先行きが読みにくい状況下で、既存のスライド制度の手続き簡素化や運用改善、単価契約で採用した作業や材料ごとの単価の変更に柔軟に対応する団体も多い。
国交省直轄業務では2026年度以降に新規契約する案件で業務スライドの試行を開始した。多くの業務は委託料の大部分を人件費が占め、業務の積算に用いる「設計業務委託等技術者単価」の改定に合わせたスライド適用を想定する。
国交省の調査によると、最新の技術者単価を積算時に採用しているのは都道府県・政令市で全団体、市区町村でも9割以上に達する。導入団体では技術者単価の改定タイミングで、直轄業務と同じようにスライド請求が可能になる。
ここ数年、資材価格の急騰が相次ぎ、公共工事でスライド条項の適用件数が急増する中、請求に必要な書類の削減などに取り組む例がある。山口県は単品スライドで購入実績などの証明書類、インフラスライドで出来高数量を確認する提出書類を簡素化。徳島県などは単品スライドで請求を工期末の1カ月前までにする弾力的な運用を取り入れる。埼玉県は各工事の状況がスライド対象に該当するかどうか簡易に判定できるツールを用意する。
国交省は、作業や材料ごとの単価に実際の施工数量を掛けて支払う単価契約でも、資材価格や労務費の変動に適切に対応する必要があると強調する。単価契約を実施している都道府県11団体のうち、物価変動などに応じた契約単価の変更を行っているのは9団体。契約単価が不適当になった場合、その変更を請求、協議できる規定を契約書に盛り込んでいるケースがある。
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