2026年8月31日月曜日

九州地方整備局/森下博之局長就任会見/熊本地震対応に総力

 九州地方整備局長に7日付で就任した森下博之氏は28日に福岡市内で会見し、「26年熊本地震」への対応や、災害に強いインフラの整備・管理、熱中症対策やDX推進による建設業の作業環境改善など、今後の取り組み方針を語った。熊本地震については「被災地の一日も早い復旧・復興は、九州整備局に課された最優先の課題」と強調し、局の総力を挙げて取り組む姿勢を示した。
 熊本地震への対応では、発災直後からの首長とのホットライン構築や防災ヘリによる調査、延べ4000人以上のテックフォース(緊急災害対策派遣隊)派遣による被害把握や給水支援活動などを報告。球磨川、白川、緑川の3水系91カ所で確認された堤防クラックなどの被害に対し、地元建設業者らの協力により10日間で応急復旧を完了させたほか、国道3号や南九州西回り自動車道、八代港の耐震強化岸壁などの早期機能回復を進めた経緯を説明した。
 一連の初動対応については「10年前の熊本地震や近年の豪雨災害での経験と準備が生かされた」と手応えを示しつつ、所管となって間もない水道行政における自治体支援の継続や、応急復旧から本復旧へのフェーズ移行を見据えた中長期的なまちづくり・住まいづくり支援をスピード感を持って進めるとした。
 インフラの整備・管理では「インフラで九州を守り、未来を作る」をミッションに掲げ、事前防災対策や流域治水を推進。ダム事業では本体基礎掘削工事が進む本明川ダム、地権者の生活再建を進める城原川ダム、2027年度の基礎掘削着手に向けた検討や地域振興が進む川辺川の流水型ダムなどを着実に進める。 道路事業では、主要都市や空港、港湾、主要鉄道などの交通拠点を連携させる広域道路ネットワークの形成・強化を図る。本年度は国道208号大川佐賀道路諸富IC~川副ICや国道57号滝室坂道路など開通を予定している事業についても説明した。港湾・空港ではフェリー・RORO船輸送網の強化や脱炭素化、国際クルーズ拠点の整備などを展開する。
 6月に策定された九州圏広域地方計画や社会資本整備重点計画に基づき着実に事業を進めるとともに、災害による被害を完全にゼロにできずとも早期に交通機能などを回復できる「強靱でしなやかなインフラ整備」を進める考えを示した。
 建設業に対しては、熊本地震対応で延べ約1万2000人が従事した熊本県建設業協会をはじめとする地元建設業界の「地域の守り手」としての活動に感謝を示した。その上で、高齢化や担い手不足といった課題に加え、今回は「真夏の災害対応」という過酷な現場環境であったことから、熱中症対策を含む作業環境の改善や、週休2日、改正建設業法に基づく適切な価格転嫁の指導監督を進めるとした。
 さらに、球磨川の緊急復旧工事をタイムラプス動画にしてSNSで配信した取り組みを挙げ、「建設業の取り組みを国民の皆さんに知っていただく広報活動も建設業の今後の発展に向け重要となる」と述べ、力を入れていく考えを示した。
 生産性向上では、DXアクションプランやi-Construction2・0に基づき、自動化技術やAIで機械やロボットを動かすフィジカルAIの活用による生産性・安全性の向上を図り、「現場の声を聞きながら持続可能な建設業の実現を目指す」と述べた。
 (もりした・ひろゆき)1994年大阪府立大学大学院工学研究科機械工学専攻博士前期課程修了、建設省(現国土交通省)入省。九州地方整備局企画部長、官房参事官(イノベーション)、総合政策局公共事業企画調整課長を経て現職。奈良県出身、56歳。


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from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=187208
via 日刊建設工業新聞

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