暮れも押し迫る23日夜、奈良県下北山村の国道169号で大規模な土砂崩れが発生した。道路沿いの斜面が高さ約5メートル、幅約30メートルにわたって崩落し道路をふさいだ。二次災害の危険性も伴い復旧のめどは立っていない▼雨も降らずに土砂崩れが起きた要因として指摘されるのは「凍結融解」。水が凍ったり溶けたりを繰り返す現象で、斜面の地中で起きると土砂の隙間が広がり、土砂崩れが起きやすくなるという▼気候変動などで災害発生のリスクが複雑化・多様化しているのか、被害は多発傾向にある。堤防決壊や越水での浸水被害、地滑りやがけ崩れなどの土砂災害が各地で発生。国土交通省の調査によると、2022年の水害被害額(暫定値)は全国で約6000億円に達した▼13~22年の10年間で4番目の被害額で、静岡県と石川県は1961年の統計開始以来最大となった。全壊や半壊といった被災建物数が約2万2000棟、水害区域面積は約3万1000ヘクタールに上るなど被害の甚大さに改めて驚く▼23年も風水害や地震など多くの災害に見舞われた。今後もこの傾向は続くだろう。強くしなやかな国づくりに終わりはない。
source https://www.decn.co.jp/?p=159822
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