新聞記者として働き出した四半世紀前、会社では原稿作成などの編集業務にパソコンを本格導入した頃だ。原稿用紙にペンを走らせていた先輩たちと同じ経験はないものの、書き直しが簡単にできず当時の苦労はよく分かる▼1990年代半ば以降、パソコンは一般家庭にも普及。インターネットが身近になり、あらゆる情報を検索できる。記者にとっても欠かせないツールになった▼昨今注目を集める生成AIは、18世紀後半の産業革命後で最大級の変革をもたらすと目される。AI利用の垣根が一気に下がり、誰でも気軽に文章や画像を自動で作成可能。情報収集や記事の文案作成など、記者の仕事にも大きな影響を与えそうだ▼生成AI関連の製品開発や安全性向上に向けた産官学協働の取り組みも活発化している。期待が膨らむ一方で秘密情報の流出や偽情報の拡散などのリスクも指摘され、国際的なルールづくりが急ピッチで進む▼デジタル社会の進展で生産性が高まるのは歓迎すべきこと。原稿作成も手書きの時代から大きく変わったが、「情報は足で稼ぐもの」と指導してくれた先輩たちの言葉は、今も強く響いている。
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