ふるさとの自衛隊駐屯地で開かれた航空祭で、航空機に乗せてもらったことがある。機内では右と左の列に搭乗者が向き合わせで座り、子供ながらに離陸して窓から見えた遠ざかる滑走路や港町の景色を鮮明に覚えている▼先日この駐屯地がコロナ禍で中止していた一般開放を4年ぶりに再開。大勢の人が訪れ、駐屯地の公式SNS(インターネット交流サイト)が「皆さまとお会いし、同じ時間をともに過ごせました」とお礼のメッセージを発信した▼駐屯地の歴史は、旧海軍省の航空隊設置から続いてきた。来年は開設から90年を迎える。地元の自治体担当者は「生まれたときから駐屯地の存在が当たり前の人が多い。共存のまちです」と話す▼駐屯地周辺には、高さ制限の関係で市街化や開発が遅れてきた地域がある。その自治体は防衛省の補助金を活用した文化施設の整備を計画中。建設費の75%に充当される「補助金前提の事業」という▼本年度から5年で43兆円規模の予算を投じる防衛力整備の行方は、自治体も注視している。必要な施設と共に周辺のまちづくりや補助事業も地域の望む形で進んでいくよう期待したい。
source https://www.decn.co.jp/?p=159115
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