ドイツ人建築家のブルーノ・タウト(1880~1938年)は日本に長期滞在していた当時、群馬県の草津温泉(草津町)や四万温泉(中之条町)などを訪れている。日記にその記述がある(『日本 タウトの日記』岩波書店)▼出版社編集長らと四万温泉に行ったのは35(昭和10)年6月。途中で織物を作る農民と会った後、旅館の温泉に入り夕食を取った。公衆浴場やわらぶき屋根の古い神社などを見たことも書かれている▼タウトが「四萬は、深い渓谷の中にあり、淙々と流れる澗流は、この邊になるととりわけ美しい」とつづった魅力は今も変わらない。地元関係者に聞くと、最近は静かな時間を求める外国人観光客らも増えているという▼タウトは日本滞在3年半のうち2年以上を群馬で過ごしている。34年8月から日本を去る36年10月まで、高崎市の少林山達磨寺境内「洗心亭」を住まいにしていた▼京都、仙台にも滞在し、日本の伝統美を高く評価したタウト。県指定史跡の洗心亭にはドイツ語で〈私は日本の文化を愛す〉と書かれた碑が立つ。この夏、日記を頼りにゆかりの地巡りへ出かけようと決めている。
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