最寄りの駅前でタクシーを待つ列が長く伸びる光景をよく見るようになった。買い物袋を抱えた高齢者や子ども連れらが待ち続けているが、タクシーはなかなか来ない▼1日約5万人が利用する首都圏の鉄道駅前でさえこの状況。地方で深刻度が増しているのは想像に難くない。国土交通省のまとめによると、2019~21年度にバス・タクシーのドライバーは約5・5万人減少した▼地方などで乗り合いバスや鉄道路線の廃止も増えている。08~23年度に計2・3万キロ超の乗り合いバス路線がなくなった。高齢ドライバーの免許返納も進んでいる状況下で、公共交通の確保は死活問題となる▼こうした課題に対応するため、国交省が17日に「交通空白」解消本部を立ち上げた。本部長の斉藤鉄夫国交相は「交通空白問題の『主治医』として知恵を絞って取り組みを進めていく」と表明した▼自家用車で乗客を有償運送する「ライドシェア」の普及促進などが柱。運賃・料金の多様化も検討課題だ。自動運転の普及で状況は変わるだろうが、社会実装には時間がかかる。課題を乗り越えるための工夫と関係者の協力が求められている。
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