2024年7月30日火曜日

回転窓/変わらない金への思い

 世界最大級の金生産地だった「佐渡島(さど)の金山」(新潟県佐渡市)が世界文化遺産に登録された。長年の念願がかない、尽力してきた地元関係者の喜びもひとしおだろう▼「史跡 佐渡金山」のウェブサイトによると、1601年に開山され、1989年3月に資源枯渇のため操業を休止。江戸から平成までの388年間に産出した金は78トンに上るという▼世界で機械化が進む中、19世紀半ばまで手工業による金生産が行われ、17世紀前半には世界の金の約1割を佐渡で生産していたとも。韓国からは強制労働問題を巡って抗議の声も聞かれたが、両国が歩み寄って今回の遺産登録に至った▼貴金属の中でも金は美しさや希少さに加え、やわらかくて加工しやすく、さびにくい特徴を持つ。時の権力者の豊臣秀吉が造らせた日本最大の金貨として知られる「天正長大判」は1枚の重さが165グラム。日常的な通貨ではなく、手柄を立てた家臣への褒美、親しい人への贈り物として使われたようだ▼パリ五輪では各競技のアスリートたちが金のメダルを目指して熱戦を繰り広げている。今も昔も金への人の思いには熱いものがある。

source https://www.decn.co.jp/?p=165841

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