東京都内では2025年も再開発プロジェクトの動きが活発だ。都市間競争が激化する中、世界から選ばれるためには地域の基盤を整備し、経済や研究・開発活動などをいかに促進するかが重要になる。ただ、建設費の高騰が事業推進の足かせになるケースも出てきており、慎重な対応が求められる。25年の注目プロジェクトをまとめた。
JR東日本は港区で整備を進めている新たなまち「高輪ゲートウェイシティー」のまちびらきを3月に行う。所在地は港南2ほか(敷地面積約7・4万平方メートル)で、JR山手線高輪ゲートウェイ駅の西側に位置する。南北に細長い敷地で、北から順に▽住宅棟▽文化創造棟▽複合棟(THE LINKPILLAR2)▽同(同1)-で構成する。THE LINKPILLAR1は2棟構成のため、全体は5棟で、総延べ約85万平方メートルの規模となる。
まちびらき時に開業するのはTHE LINKPILLAR1で、オフィスのほか、2000人規模のMICE(大規模なイベント)施設、ラグジュアリーホテルなどが入る。残る施設は26年春の開業を目指す。
港区ではこのほか、JR新橋駅近辺でも再開発の動きが具体化しつつある。2月には新橋駅東口地区再開発協議会が再開発準備組合に移行する。
対象エリアは駅東側に位置する約1・7ヘクタールで、1966年竣工の新橋駅前ビル(2棟総延べ約4万平方メートル)などを一体的に建て替える。新たな建物にはオフィスや商業施設、ホテル、サービスアパートメントなどを設ける計画となっている。
JR有楽町駅の西側一帯に広がる「丸の内仲通り南周辺地区」(千代田区)では、複数の街区が連動した大規模な再開発が始まる。自由度の高いまちづくりを進めるため、同地区を都市再生特別地区に追加する。都市計画の決定・告示は6月ごろを予定している。
丸の内仲通り南周辺地区は、▽国際ビル・帝劇ビル▽新東京ビル▽新国際ビル▽新日石ビル▽有楽町ビル・新有楽町ビル-で構成している。このうち国際ビル・帝劇ビルは建て替え後、延べ17・6万平方メートル、高さ約145メートルの規模のビル建設が可能になる。
中央区にある敷地面積約19ヘクタールの築地市場跡地での施設整備を巡っては、事業予定者や有識者、東京都などが基本計画の内容を練っている。水辺に設置する広場の拡充のほか、防災拠点となるオープンスペースをどう整備するかなどを議論。25年も基本計画策定に向けて話し合う予定だ。
まちづくりに当たり、障壁になっているのが建設費の高騰だ。JR中野駅前にある中野サンプラザ跡地(中野区)を含めた再開発事業は、施行予定者が24年6月末に施行認可申請した後、工事費が約900億円上昇することが判明。同10月に認可申請を取り下げた。
専門業者の繁忙期が重なったことや、時間外労働の上限規制などが影響した。施行予定者は住宅用途の面積割合を当初の4割から6割に変更する方針で、区はおおむね受け入れる考えだ。3月に事業見直しの方針と今後の事業スケジュールを区に報告する。どのような内容になるか、注目が集まる。
from 工事・計画 – 日刊建設工業新聞
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