高校生の頃までよく利用していた公立図書館は、戦前に建てられた古い木造の建物であった。木の床を歩いて出るきしんだ音が、静かな館内に響いて困ったのも今では懐かしい思い出だ▼その図書館が移転新築されて久しい。2代目の建物には市民ホールや生涯学習センターが併設され、座席数の多い図書閲覧コーナーを設けるなど利便性は大きく向上した▼統計資料によると国内の図書館数は増加傾向にあり、蔵書数も増えている。一方で老朽化や建て替えなどの課題を抱えた施設は多く、地方財政の悪化から図書購入費が減少。貸出数も伸び悩んでいるのが現状という▼図書館はさまざまな情報を発信する〈地域密着型施設〉と言える。旅先のそうした図書館を訪ね歩くのがエッセイストのオラシオさん。旅行者なので本を借りられないが、建築や内装などのデザインを見て楽しむこともできるとつづっている(『図書館ウォーカー』日外アソシエーツ)▼75年前に図書館の設置や運営について定める図書館法が制定された4月30日は「図書館記念日」。大型連休を利用し、知らない街の知らない図書館に行ってみるのもいい。
from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=173231
via 日刊建設工業新聞


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