2025年4月3日木曜日

回転窓/防災・減災が連日話題な中で

 地域で発生した災害を分かりやすく伝え教訓をつないでいく活動や施設を国が認定する「NIPPON防災資産」。「3・11伝承ロード」(青森、岩手、宮城、福島)や「黒潮町の防災ツーリズム」(高知)などが認定されている▼認定の関係者が集まった2月の会議を踏まえ、国土技術研究センターが人や施設の連携を促す役割を担うことになった。災害を自分事にしてもらい避難につなげるためにもセンターの役割は大切になるであろう▼政府が国土強靱化実施中期計画の素案を1日に決めた。関係府省庁が所管する324施策のうち116施策の推進に必要な事業規模を2026年度から5年で「おおむね20兆円強程度」と見積もった▼資材費や人件費の高騰分が別枠となったのをはじめ事業規模の全体像はまだ見えていない。6月とされる計画の閣議決定に向け、事業規模を巡る政府・与党内の調整が注目される▼3月末に南海トラフ巨大地震の被害想定が公表されたばかり。ミャンマーやタイの地震被害も報道が続く。災害への備えをどうか進め続けてほしい--。防災や災害が連日話題になる中で、そう求めずにいられない。 from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=172741 via 日刊建設工業...

新社長/青木あすなろ建設・望月尚幸氏、提案型営業で他社と差別化

 大手ゼネコンで長年建築現場に携わり、コンサルティング会社で建設業の問題解決に取り組んできた異色の経歴を持つ。計画立案や市場戦略に基づく提案型営業に注力する。コンサル時代に新規事業の創出や業務改革をけん引した経験を強みに経営のかじを取る。  --就任の抱負を。  「辻井靖前社長の意思を引き継ぎ、全体の調和を保ちながら会社を改革していく。コンサル時代の経験を生かし、10年後の市場を自分なりに分析している。提案型営業を積極的に行い、データセンター(DC)や物流施設などで個性を出して他社と差別化する。競争での仕事ではなく当社でしかできないことを増やす」  --経営環境をどう見る。  「価格転嫁などの対策効果も徐々に出ているが、建設費の高騰と需要のミスマッチが生まれている。今後は大規模再開発工事中心ではなくインフラの復旧や耐震工事、再生可能エネルギー、災害復興事業といった社会ニーズに即した需要が出てくるだろう。コンバージョンや全館リニューアルを中心に『リモデル事業』に特化し、建築売上高の25%を占めるようにしたい」  --注力する分野は。  「建築・土木ともに、DCや冷蔵冷凍、リニューアル、風力など市場規模の成長が期待できる再エネ、耐震、国土強靱化が中心になる。提案型営業を進め、高松コンストラクショングループ(TCG)などとの相乗効果を創出する。現在、積極的に高松建設の営業力を借りて共同受注している。それぞれの領域を補完していく。大阪・関西万博で次世代水中ブルドーザー(水中施工ロボット)を披露する。貢献度の高い事業になり得る。ダム工事の浚渫などで活用したい」  --人材確保と育成は。  「施工管理者が本来するべき業務に集中できるよう2025年度から新事業としてスマートBPO(外部委託)を展開する。写真管理やITベンダーなど7社と連携して外販も検討している。業務を『計画・管理業務』と『事務・書類業務』に分けて内勤業務のシェアードサービスセンター(SSC)化を実現する」  「海外技術者の採用や、施工計画・管理に特化したスペシャリストを育てる。オールラウンダーではなく、向き不向きを見定め能力を発揮してもらい社員のキャリアパスにつなげたい。個々人が活躍できるための組織改革を徐々に進める。人事制度・評価を変えモチベーションを上げる仕組みを26年度から運営する」  --今後の展望を。  「営業利益を確実に上げられる会社を目指して今後3年で営業利益5%以上を上げる。独自の強みを確立し、必要とされる企業を目指すことで安定した収益を確保する」。  (4月1日就任)  (もちづき・なおゆき)1987年日本大学理工学部卒、清水建設入社。PwCコンサルティング合同会社シニアマネージャーや日本国土開発取締役兼副社長執行役員、TCG顧問などを経て、2024年1月青木あすなろ建設顧問、同4月副社長執行役員、同6月代表取締役。趣味は茶道。座右の銘は「利他の心」。神奈川県出身、61歳。 from...

国交省/直轄営繕でも完全週休2日、受注者選択可能にし労務費・現場管理費補正

 国土交通省は直轄営繕工事を対象に「週単位」で2日以上の休みを確保する完全週休2日を推進する。2025年度から週単位の週休2日を受注者が工事着手前に選択可能とし、これに合わせた労務費と現場管理費の補正係数を設定した。新築工事では「月単位」の週休2日を必須として発注する方針。工事全体(通期)の週休2日は改修工事も含めて全発注案件で必須となることから労務費補正を撤廃した。  直轄土木工事と同じように土日休みを原則とした完全週休2日に取り組む意向。建物内を使いながらの改修など建築・設備工事に特有の事情を考慮し、受注者との協議で平日を代替休日とすることも週単位の週休2日として認める。  週休2日の発注方式は新築工事を想定した「I型」、改修工事を想定した「II型」の二つに分けて運用。I型は月単位を必須、週単位を選択制とし、II型は通期を必須、月単位と週単位を選択制とする。施工実態の調査を踏まえ、労務費の補正係数は月単位で1・02倍(24年度1・04倍)と設定。新設となる週単位の補正係数は労務費1・02倍、現場管理費1・01倍とした。  受発注者双方の負担とならないよう既存書類で現場閉所の達成状況を確認し、当初の目標水準に満たない場合、それに応じ補正分を減額変更する。設備工事などを分離発注する場合、発注案件単位で現場作業がない状態を「現場休息」とし現場閉所と同等とみなす。  工事成績評定は、以前から標準の評価項目とする「休日・代休の確保」で適切に評価する。I型、II型ともに選択制となる部分を加点対象とする方向だ。受注者側に週休2日に取り組む姿勢が見られない場合には減点対象とする。  営繕工事の働き方改革を巡っては、国交省と都道府県、政令市でつくる全国営繕主管課長会議で「公共建築工事における工期設定の基本的考え方」の改定作業が進行中。国や自治体の週休2日工事の取り組み状況などを反映した形に見直す方針。建築・設備関連業界団体の意見も取り入れつつ、7月の策定・公表を見込む。 from...

燈/建設業界特化型AIエージェント開発、顧客企業ごとにカスタマイズ

 建設DXを手掛ける燈(東京都文京区、野呂侑希最高経営責任者〈CEO〉)が、建設業界特化型のAIエージェントを開発した。自社の大規模言語モデル(LLM)を使用した建設業界向けのAIチャットサービス「光/Hikari」の新機能として実装。建設業の業務フローに基づき構築され、顧客企業ごとにカスタマイズできるため、高度な自然言語処理技術を用い、設計図書や画像解析にも対応する。DX推進のためAIエージェントが現場業務を効率化、ノウハウの標準化を実現する。  燈が開発したAIエージェントは、数千体規模のAIエージェントがプロンプト(指示)に対して自律的に仕事を実行する。建設業界特化の知識データベースで高度な専門知識に対応し、各業務プロセスに最適化された専門エージェントが業務を遂行する。日報や帳簿・報告書作成など、現場監督や施工管理の担当者が日常的に行う業務をサポートし、施工以外で必要とする事務作業の時間を大幅に削減する。  例えば施工計画書を作成する場合、従来は一つの指示を何回も行う必要があり、複数の情報やデータを参照した後に、最終的には人がまとめていた。一方、AIエージェントを使用すると、施工計画書作成というタスクに対して特記仕様書の検索と整理、過去資料の参照、法令調査など施工計画書の作成に関わるタスクを総合的に行い生成・評価も可能となる。  技術提案や安全管理などの業務にも活用できる。AIが総合的に担当し、自立型として全てを加味して結果を出してくれる。書類作成の自動化や現場業務の効率化を実現し、ヒューマンエラーの低減、事務作業の時間削減、熟練技術者の知識継承の促進に貢献する。  AIエージェントの機能は、企業ごとにカスタマイズ可能。共通業務フローに加え独自の承認プロセスや書類テンプレート、社内システムとAPI連携できる。さらに高度な自然言語処理技術を活用し、建築・土木分野の専門用語を高精度で理解し、設計図や画像の解析も対応している。  野呂氏は「2025年はAIエージェント元年だ。これからどんどん加速するだろう」とし、「理想的なエージェントを多く作って、建設業に送り込みたい。人手不足を解消したい。エージェントが1万体いれば全ての企業が『1万人企業』ということになる。建設業のほとんどを燈が担える。高齢化対策にもつなげたい」と意気込む。 from...

2025年4月2日水曜日

回転窓/桜の下で祈る願い

 過ごしやすい陽気になってきたかと思えば、1日は真冬の寒さとなった地域もあり驚かされた。寒暖を繰り返すのは春の常だが、体調を崩さないよう注意したい▼この時期に天候が良ければ楽しみなのはお花見。きれいな桜を見ようと景勝地などに多数の花見客が訪れる。昨年よりも5日早く開花した東京都内では、目黒川沿い(目黒区)や千鳥ケ淵(千代田区)で見ごろを迎えているようだ▼春の風物詩として人気の桜も人間と同じように病気に罹(かか)る。樹齢400年を数える熊本県南阿蘇村の「一心行の大桜」は花の数が減少。今年は樹勢回復の治療に専念することを理由に、村が桜の公開を中止した。これからも多くの花を咲かせてくれるためには仕方がない▼桜は北半球に分布する。特に日本列島付近に多くの種類が集中し、薄紅色の花を咲かせるヤマザクラや白色が特徴のオオシマザクラなど9種が自生している▼花見の文化は奈良時代に貴族の間で流行し、江戸時代になり農民へ広がったとされる。豊作を祈願して木の下で宴会するスタイルが確立したのもこの頃。農業の恵みにも感謝しながら花をめでたい。 from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=172700 via 日刊建設工業...

新社長/飛島建設・築地功氏、培ったイノベーション力で変革

 入社してダムやトンネルの現場施工と、技術部門を約20年ずつ経験してきた。2024年10月に発足した飛島ホールディングス(HD)の中核事業会社として、各部門の連携強化でイノベーションを一層推進し、新しい時代を切り開いていく方針だ。これからも「顧客や地域社会からの信頼を得る」ことが何よりも重要とし、新技術・方法を積極的に取り入れ、「最前線を走り続けたい」と強調する。  --就任の抱負を。  「創業142年の歴史と築いてきた信頼を最大限に尊重し、次につないでいく。新技術をどんどん取り入れるなど、これまでの固定観念を破る。前職の技術研究所では社会課題や顧客ニーズに対するソリューションビジネスの中核として技術開発を推進してきた。技術部門で培ったイノベーション力で変革を進める。歴史と革新を両立させ、これからも存在価値のある会社にしたい」  --経営方針は。  「飛島HDグループの中でしっかりと収益を上げていくことが重要だ。建設事業とシナジー(相乗効果)を発揮できる『グロース事業』や、デジタル技術で建設生産プロセスを変革する『イノベーション事業』の展開により領域の拡充と規模の拡大を目指す。理念に掲げる『創造』『共創』『共生』を実効性のある価値として具現化し続ける。旺盛な建設需要に対応したいが、協力会社を含めて人材が不足している。生産性向上に努め、現場のノンコア業務を集約しているFSC(フィールドサクセスセンター)のシステムを多方面に水平展開していきたい」  --注力分野は。  「飛島HDのグループ間の連携を強化し、幅広い建設の形を作りたい。今後も防災技術を突き詰めて、国土強靱化や既存インフラの長寿命化などに貢献する。建築は中層階オフィスビルなどに取り組み、木造技術の研究も進める。再生可能エネルギー関連で小水力発電などに注力し、設計からマネジメントのノウハウを生かして、ダムの再開発なども狙う。社会的なニーズに対応できる二酸化炭素(CO2)の削減、カーボンニュートラルに貢献していく」  --今後の人材育成は。  「働き方の急激な変化に対応しながら、今まで常識だったことも見直し、会社が持続的に発展していける仕組みづくりを進める。熟練技術者の知見やノウハウをデータベース化して技術継承するほか、若手社員の早期育成のために複数現場でさまざまな工種を幅広く経験させていく。そして何でも話しやすい生き生きとした社内環境を作ることでエンゲージメント向上を目指す。多様な人材を生かすダイバーシティーの推進にも積極的に取り組む」。  (4月1日就任)  (つきじ・いさお)1987年京都大学工学部土木工学科卒、飛島建設入社。2016年土木事業本部土木技術部長、24年4月執行役員技術研究所長、同10月同技術戦略担当。大学時代は硬式野球部に所属。2番手キャッチャーとしてチーム力向上に貢献した経験を社長業に生かす。信条は「誠心誠意」。京都府出身、61歳。 from...

神奈川県/厚木市など3市と自走式ロープウエー導入検討、25年度に研究会設置

 神奈川県は2025年度、厚木、藤沢、三浦3市と自走式ロープウエーの導入に向けた検討に着手する。県と3市に開発事業者を加え、研究会を立ち上げる。25年度予算に新たな交通システムの展開として10百万円を計上した。需要や費用対効果などの導入可能性調査業務も委託する。県は安全性・利便性に優れた新たな公共交通の実現に期待している。  導入を予定するのはZip Infrastructure(福島県南相馬市、須知高匡最高経営責任者〈CEO〉)が開発中の自走式ロープウエー「Zippar(ジッパー)」。既存のモノレールに比べて整備コストが約5分の1(1キロ当たり15億円)、約1年での建設が可能など経済性に優れている。ロープとゴンドラが独立しているため、カーブや分岐などが自在で、柔軟な路線設計ができるなどの利点もある。県と同社は24年4月に「新たな交通サービスの実用化に向けた取組等に関する連携協定」も締結している。  県が県内自治体に導入意向などを打診した結果、秦野市、松田町、寒川町も導入検討の意向を示したが、需要者数などを勘案して今回は3市を選定した。研究会では各市の特徴なども踏まえた想定ルートや利用者数、技術上の課題などを検討する。県は実用化することで工業団地や大規模事業所への通勤、観光用途などで交通課題の解決を図ることに期待する。 from...

東急建設ら/打ち分け不要の耐震スリット材開発、打設管理効率化、品質向上

 東急建設とJSP(東京都千代田区、大久保知彦社長)、クギン(名古屋市中区、釘宮祐治社長)は、RC造建築物のコンクリート打設時に柱と壁の交互打ち分けを不要とする耐震スリット材を共同開発した。東急建設が東京都渋谷区で開発した「(仮称)宇田川町42計画新築工事」に初適用し、打設管理の効率化やコンクリートの品質向上といった効果を確認した。  耐震スリット材は一般的にRC造建築物に用いられている。地震発生時に柱や壁などの損傷を防ぎ建物の安全性を確保する。従来は打設するコンクリートの耐力を踏まえ1~1・5ミリ程度の高さで柱と壁を交互に打ち分ける必要がある。今回開発したのは従来の垂直スリット材に加え、補強材(トラストデッキ)と中間支持材によって打設時の側圧を支持することで、打設時に垂直スリット材の変形を抑制する高耐力、高剛性のスリットになる。  新たな耐震スリット材を用いることに伴い、一般的な階高の柱と雑壁がそれぞれ1回で打ち上げ可能となる。打ち重ね不良の低減や表面の色むら抑制に効果を発揮し、打設管理の効率化やコンクリートの品質向上に役立つ。  東急建設は今後、新たな耐震スリット材の適用拡大を目指す。 from 技術・商品 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=172709 via...

建設各社が25年度入社式/若い視点で新しい価値を、困難乗り越え果敢に挑戦

 新年度が始まった1日、ゼネコンなど建設関連各社で入社式が開かれた。働き方改革や物価高騰など経営環境は大きく変化している。企業トップからは伝統と精神を受け継ぎつつ、若い力で新たな成長の可能性を切り開いていく主体的な挑戦を求めるメッセージが目立った。=4、5面と3、4日付に各社のトップメッセージ  同日付で社長が交代したのは大林組、清水建設、長谷工コーポレーション、飛島建設、青木あすなろ建設など。大林組の佐藤俊美社長兼最高経営責任者(CEO)は「皆さんはグループの中で最も新しい目を持っている人材だ。どうすれば新たな価値が生まれるか考え続け、その思いを実現するまで大切に育ててほしい」と呼び掛けた。  仕事への心構えとして常に「原点」に立ち返る重要性を説いたのは清水建設の新村達也社長。「迷いや不安に直面した時、答えは必ず皆さんの心の中にある。その志こそがどんな困難をも乗り越え、新たな未来を切り開く力になる」と訴えた。  長谷工コーポの熊野聡社長は、環境の変化に対応し乗り越えてきた「長谷工DNA」の精神を強調。「厳しいと思う場面を成長する機会と捉えて粘り強く挑戦し、長谷工DNAを継承していってほしい」と力を込めた。  飛島建設の築地功社長は「皆さんの『イノベーションマインド』に耳を傾ける準備はできている。若いからと遠慮せず、失敗を恐れずに変革していこう」と述べ、青木あすなろ建設の望月尚幸社長は「これまでの当たり前を踏襲するのではなく、自分で考えて行動できる、変化への適応力を持った人財に成長してほしい」と話した。  若い力の前向きな挑戦を応援し、新たな企業価値創出の原動力として期待する声が相次ぐ。  鹿島の天野裕正社長は「まずはやってみるという実践主義を大切にしてほしい」、大成建設の相川善郎社長は「会社のこれからを自らの手で創っていくという高い志を持ってほしい」、竹中工務店の佐々木正人社長は「革新への意識を持ち個性豊かで創造的な社会人に育ってほしい」とそれぞれ話した。  時代とともに多様化するニーズに対応するには、若い世代の視点が欠かせない。各社は一人一人が技能や個性を発揮できる環境を整備し、新たな成長戦略を築いていく。 from...

2025年4月1日火曜日

建設業スキー大会/竹中工務店が団体2連覇、節目の50回大会に約90人が参加

 第50回「建設業スキー大会」(主催・建設業スキー会、後援・日刊建設工業新聞社)が3月1、2の両日、長野県小諸市の高峰マウンテンパークで開かれた。9社から約90人が参加。団体戦では竹中工務店が優勝に輝いた。個人男子は清水悟選手(大成建設)が11年ぶりに栄冠を手にした。個人女子は橋本佳奈絵選手(三機工業)が悲願の1位を勝ち取った。  本戦は全長700メートル、最大斜度25度、標高差140メートルのパノラマコースで実施。仲佐俊之会長(清水建設OB)は「50回目の開催という伝統ある大会がこれからも盛り上がっていくことを期待したい」と総括した。  団体優勝した竹中工務店の市川和也主将は「昨年の初優勝に続き2連覇できて感無量だ。部で合宿をして練習を重ね、新戦力が入ったことも勝因の一つだと思う」と喜びを語った。  個人男子優勝の清水選手は、前年の大会で転倒したことを振り返り「絶対に完走して結果を出そうと思い、11年ぶりに優勝できてとてもうれしく思う」と述べた。個人女子優勝の橋本選手は「姉妹で目指して金メダルがやっと手元に来てくれた。応援し続けてくれた天国の母に感謝する」と話した。  50回目の節目を迎えた今回の大会では、特別企画としてゲスト選手による前走・後走や特別戦でのスノーボードクラス新設、本戦でのカムバック賞の新設、記念Tシャツの作成、記念アルバムや記念スライドショーの作成、過去大会の主な成績表の作成などが行われた。 from...

回転窓/勤務地は変われど

 駿河湾から静岡県の内陸部を想定震源域とするマグニチュード(M)8クラスの東海地震は、南海トラフ沿いで想定される大規模地震の一つ。この地域では1854年の安政東海地震の発生から現在まで大規模地震が発生していない▼20代前半まで同県内で過ごした。長年にわたり地震・津波を想定した避難訓練が定期的に実施されており、小学校の児童は防災頭巾をかぶって集団下校するなど、大人から子どもまで災害への危機意識が高い地域と言える▼先月28日にミャンマー中部を震源とする大規模地震が発生した。長大な断層の一部が破壊された内陸型地震で、過去からM7クラスの大規模地震が頻発していたという。だが今回の震源地周辺は、同クラスの地震が200年近く発生していない空白域だったようだ▼日本では南海トラフ巨大地震の被害想定が見直された。これまでの対策効果は一定程度あるものの、依然として強い揺れや津波で甚大な被害が広域で発生するリスクは大きい▼小欄は勤務地が変わり、きょうから東海・北陸エリアを担当。これからも紙面で防災・減災対策の重要性を発信し続けていきたい。 from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=172676 via 日刊建設工業...

新社長/大林組・佐藤俊美氏、社員の自己実現をグループの成長に

 2026年度を最終年度とする中期経営計画を新体制で着実に推進する。事業環境の変化に迅速に対応できる体制構築を最重要課題と捉える。国内建設事業を中核とし、それ以外の事業で国内建設事業と同等以上の業績を創出する体制を将来的に構築する。「社員とベクトルを合わせて企業成長する」と意気込む。  --就任の抱負を。  「大林グループの企業理念と精神を承継し、グループの持続的な成長を図る。技術面、ビジネス面でイノベーションを起こし、建設事業の生産性向上や新事業開拓に挑戦していきたい。持続的な成長とは何か、スローガンである『つくるを拓く』の意味は何かを具体的に示し、グループに共有していく。エンジニアを中心に優秀な人材がいる。国内建設事業を中核に活躍の場が大林グループにはある。社員の自己実現や成長をグループの成長につなげたい」  --事業環境をどう見る。  「収益改善が進み、業績は堅調に推移していくだろう。中期経営計画(22~26年度)の数値目標は達成できそうだが、計画策定時に想定していた事業環境とは全く様相が変わった。データセンターや半導体関連施設などの建設需要も拡大し続けるわけではない。市場変化にいかに迅速に対応できるかを考える必要がある。事業環境の変化に対応できる体制を建設、非建設の両領域で構築するシナリオ作りに着手している。同時に成長戦略を描くためのプロジェクトを立ち上げ、次期中期計画に向けて議論を始めた」  --経営方針は。  「水やエネルギー、食、廃棄物など社会課題の解決につながる領域に事業機会がある。グループの技術力と総合力を生かして社会に貢献するため、中核である建設事業のサプライチェーン(供給網)も含めた供給能力向上と、新領域を担う人材戦略を具体的に描き、他社との差別化も視野に戦略を策定する。再生可能エネルギー事業は戦略を大きく転換することになるだろう。ブラウンフィールドを含め、再エネ市場のどこに関わっていくかを検討する。さらに施工側で二酸化炭素(CO2)排出量の削減に貢献できる技術開発も継続的に行う」  「海外分野は、未進出の地域や事業領域に事業機会があれば取り組む。北米地域は、直近で23年に買収した水処理関連の建設会社をはじめ、複数子会社が収益面で貢献している。各社で成長戦略を描くが、個別最適が本当にグループの全体最適になるかを考える。一方、国内は建設周辺領域を含め、社会課題の解決による顧客提供価値の向上や持続的成長を創出する事業機会があれば、企業のM&A(企業合併・買収)も手段の一つとして検討していく」。  (4月1日就任)  (さとう・としみ)1985年早稲田大学政治経済学部経済学科卒、大林組入社。2013年財務部長、15年経営企画室長、17年執行役員、18年取締役、19年常務執行役員、22年専務執行役員、23年副社長執行役員、24年代表取締役。学生時代は野球に明け暮れた。趣味は野球観戦。妻とユニホームを着て応援している。神奈川県出身、64歳。 from...

政府WG/南海トラフ地震の被害想定見直し、あらゆる主体の総力結集を

 南海トラフ地震の被害想定や防災対策を議論してきた政府の有識者ワーキンググループ(WG)は3月31日、最終報告書を公表した。最新データに基づき被害想定を見直した結果、想定される最も規模の大きな地震が発生すると、最大で死者29・8万人、建物倒壊は約235万棟に上ると推計。資産被害は約224・9兆円、経済被害は約45・4兆円に達する。報告書では「あらゆる主体が総力を結集して災害に臨むことが必要」と訴えている。  政府は「南海トラフ地震防災対策推進基本計画」策定から10年を機に、対策の進歩や最新知見を反映させた計画改定に着手。中央防災会議(会長・石破茂首相)が「南海トラフ巨大地震対策検討WG」(主査・福和伸夫名古屋大学名誉教授)を2023年4月に立ち上げ、議論を重ねてきた。  報告書ではプレートや断層域を精査し、地震や津波のモデルに変更の必要なしと結論。一方、地形・地盤データの高精度化により、津波浸水域(30センチ以上)は約3割増加。震度7の揺れに襲われる自治体数も143から149に増えた。  地震と津波による建物などの被害額は最大193・4兆円、電気・ガス・水道や交通機関、土木施設などライフラインの被害は31・5兆円に上る。被害算出式の見直しなどで単純比較できないが、10年前と比べて建物等被害は45兆円、ライフライン被害は10・4兆円増加。一方、最大死者数は2・4万人、全壊焼失棟数は15・4万棟減っており、防潮堤や津波避難タワーの整備と耐震化の進展がある程度反映された。  報告書では地震対策の基本的な考え方として▽地震・津波から命と社会を守る▽直接的被害を免れた命の保護と生命維持▽生活や社会経済活動の早期復旧-の3点を掲げた。事前防災の観点から強靱化・耐震化・早期復旧の推進を重要な対策と位置付けた。建物の耐震化は、人的・物的被害の軽減につながる「重要かつ根本的な取り組み」とし耐震診断や改修の促進、沿岸部の液状化対策などインフラ強靱化の加速を求めた。  津波だけで最大で死者21・5万人、全壊建物18・8万棟と想定した。対策として、早期避難意識の醸成などソフト対策に加え、防潮堤などハード対策の重要性も強調。高台移転や土地利用の見直しなど、事前復興準備も必要とした。  東西の震源域で時間差で発生する「半割れケース」も初めて検討した。同ケースでは繰り返しの揺れで建物倒壊が増える一方、津波の死者数は減る可能性がある。東側の先発地震の後、数日たって西側で後発地震が発生するケースでは、建物倒壊は単独で発生する場合より3・1万棟増えるが、津波による死者数は5・3万人減る。事前避難が徹底されていれば、最大で98%程度の減少が可能とした。  政府は報告書を踏まえ防災対策推進計画の改定に着手する。報告書が課題と指摘した地震対策のモニタリング体制や技術開発、広域性を考慮したリソースの確保策、地盤と建物基礎の研究など対応策の具体化にも取り組む方針だ。 from...

4月からの建設業界は/建築物省エネ基準適合が義務化、育児支援手厚く

 2025年度を迎える1日、建設関係の法令や政策による新しい措置が講じられる。改正建築基準法・建築物省エネ法が全面施行となり、同日以降に着工するすべての建築物は原則省エネ基準に適合することが義務化される。労働安全衛生法に基づく省令改正に伴い、危険箇所の作業に従事する労働者以外の人や、作業を請け負う一人親方などの保護が事業者に義務付けられる。雇用・労働関係は、柔軟な働き方や育児支援などが促される。  建築物の省エネ基準適合は、新築の住宅・非住宅すべてで義務付けられ、建築確認手続きの中で基準への適合性審査が行われる。政府の脱炭素政策の一環。建築確認、検査対象の見直し、審査省略制度(いわゆる4号特例)の縮小が措置される。小規模住宅の省エネ計算などの業務の増加が想定され、国土交通省は「建築士サポートセンター」を1月までに全都道府県に設置するなど施行に備えてきた。  入札契約関係は、予定価格が少額な場合に選択できる国の「少額随意契約」(少額随契)の基準が引き上がる。物価上昇を受けた措置で、少額随契を選択できる工事は対象の予定価格250万円以下を400万円以下に見直す。直轄土木工事は、土日休みの完全週休2日に対応した労務費や経費の新しい補正係数が適用になる。共通仮設費に率計上している現場環境改善費から避暑・避寒対策費を切り離し、現場の環境に応じた対策費を積み上げ計上できる。  改正物流効率化法・貨物自動車運送事業法の一部規定の施行により、荷主・物流事業者に物流を効率化するための努力義務が課される。トラック事業者は、運送契約の締結時に提供役務、対価を記載した書面交付などが義務化される。  雇用・労働関係のうち、労働安全衛生法の省令改正では、事業者が講じる危険箇所への立ち入り禁止、搭乗禁止、立ち入り可能箇所の限定、悪天候時の作業禁止の措置などが労働者以外の人も対象となる。下請業者や一人親方に保護具を使う必要があることの周知も義務になる。重層下請では、上位の下請業者が下位に対して必要な措置の義務を負う。事業者がすべての作業を請負人に請け負わせた場合、事業者は注文者の立場となり、措置義務の対象にはならない。  就業・育児では、両親が14日以上の育児休業を取得した場合、既存の育児休業給付と合わせて手取りの10割相当を出生後休業支援給付金から受給できる。看護休暇の対象となる子どもの年齢が現行の小学校就学前から小学校3年生までになり、男性労働者の育児休業などの取得状況を年1回公表する事業主の範囲は、常時雇用300人超の事業主にまで拡大される。 from...

時間外労働上限規制適用から1年/週休2日は着実に浸透、民間工事多い建築分野が課題

 建設業に対する時間外労働の罰則付き上限規制の適用から1日で1年になる。建設関係団体の調査によると、労働時間の削減に向けた週休2日が一段と浸透し、厚生労働省の統計でも総実労働時間が減少していた。ただ民間工事が多くを占める建築分野の課題が浮き彫りになり、上限規制の課題に対する指摘も出てきている。=各面に関連記事  厚労省がまとめた2024年の毎月勤労統計調査(事業所規模5人以上)によると、建設業の月間実労働時間は、総実労働時間が前年比1・7%減、所定外労働時間は7・6%減となった。減少は総実労働時間が2年ぶり、所定外労働時間は2年連続。同省は関係性を分析していないものの、減少の要因の一つには上限規制の適用があるとみられる。  日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)が会員企業に実施した調査では、24年度上期(4~9月)に4週8閉所以上を実現した現場の割合は61・1%と、前年同期を11・7ポイント上回った。ただ土木・建築別は、土木が73・0%(10・4ポイント上昇)に対し、建築は49・3%(13・7ポイント上昇)と差が開き、民間工事の多い建築分野が依然課題となっていることが分かった。  24年9月、日建連、全国建設業協会(全建)、全国中小建設業協会(全中建)、建設産業専門団体連合会(建専連)の4団体と国土交通省とで行われた意見交換では、同3月改定の「工期に関する基準」と、同6月成立の第3次担い手3法を受け、民間発注者に対する適切な指導を求める意見が出た。4団体は同11月、不動産協会(不動協)に現場の土日閉所運動の展開に当たっての協力を申し入れ、土日閉所可能な工期設定なども求めた。  不動協への働き方改革の協力要望は初めて。4団体は、24年度に開始した「目指せ!建設現場 土日一斉閉所」運動への協力を要請した。この運動は25年度から日本空調衛生工事業協会(日空衛)、日本電設工業協会(電設協)が加わり、6団体で強力に推進する。  第3次担い手3法を踏まえ、週休2日や適正工期の確保を巡る国交省の対応も進展している。直轄土木工事には、25年度から土日休みの完全週休2日に対応した労務費や経費の新しい補正係数を適用する。政府が2月に公表した新しい公共工事設計労務単価は、上限規制に対応するために必要な費用が引き続き反映された。  上限規制や働き方改革は、今国会でも質疑が行われており、3月14日の衆院国土交通委員会では地域の建設業協会の調査結果から「公共工事は工期に猶予をもらっているが民間はタイト」(赤羽一嘉元国交相)と指摘があった。厚労省の担当者は、都道府県ごとの「働き方改革推進支援センター」の機能や関係助成金による建設会社の支援とともに、助言、指導を行っていく考えを示した。  同委員会では、収入を増やすために働く時間を増やしたい労働者を巡るやりとりもあった。それでも労働時間の削減や週休2日の定着は、処遇の改善や若い担い手の確保・定着に影響するだけに、上限規制の適用2年目も受発注者双方の対応が活発になりそうだ。 from...

中部整備局/インフラDX行動計画更新、テックフォース活動スマート化検討

 中部地方整備局は、中部インフラDX行動計画の第4版を策定した。これまでの取り組みを踏まえ、個別進捗状況を更新。2025年度は、TECアプリを活用した被災状況調査の高度化・効率化に向けた検討や車載器からの走行情報を活用した大規模災害時通行可否情報の早期把握の本格運用開始などを予定する。  TECアプリを活用した被災状況調査の高度化・効率化では、テックフォース(緊急災害対策派遣隊)活動のスマート化を図る。被災現地の計測、記録、撮影から作業基地でのデータ整理、被災数量や被災額などの報告書の策定までの一連の作業は、人手が必要で1カ所の調査に時間がかかり、隊員の負担も大きい。  このため将来的には、AIや3D点群データなどを活用。TECアプリに入力する被災写真や点群データ、所見テキストから、被災報告の自動作成を支援する仕組みの実現を目指す。25年度は支援システムの構築に向けた検討に着手する。  大規模災害時の通行可否情報の早期把握は、ETC2・0などの走行情報を活用する。走行実績の消滅範囲をAIなどで自動判別し、通行可否情報を迅速に把握。消防や警察、自衛隊の救急救命活動につなげる。システムの評価や改良を進め、25年度中の本格運用を目指す。  このほか25年度は、映像を活用することで地権者が急傾斜地など現地に入らずに済むリモート境界確認やウェブ会議システムによるオンライン用地交渉の本格運用も予定。国営木曽三川公園の運営維持管理の効率化などに向けた検討も深める。  中部インフラDX行動計画は22年4月に策定した。最新のDXツールを活用した生産性の向上などを目指し、建設企業や関係機関と協力して取り組みを推進している。 from...

JACIC/新サービス「コブリス・プラス」を5月7日から提供開始

 日本建設情報総合センター(JACIC、山田邦博理事長)は、既存の建設副産物情報交換システム(コブリス)と建設発生土情報交換システム(発生土システム)を全面的にリニューアルし一体化した「コブリス・プラス」のサービス提供を5月7日に開始する。同時に利用者の拡大に向け、料金を引き下げる。  コブリス・プラスは、両システムに加え、建設発生土の官民有効利用マッチングシステム(官民マッチング)も一体化させる。三つのシステムを、一つのIDで利用できる。リニューアルとシステムの一体化で機能の充実を図るとともに、操作性やデータ精度などを向上させた。  具体的にはデータの受け渡し経緯が見える化され、関係書類の印刷や紙データでのやりとりを不要にした。資源有効利用促進法省令改正に伴う土壌汚染対策法などの手続き状況の確認結果票は、画面に沿って入力するだけで簡単に作成できる。工事データの登録前に受発注者で同じデータのチェックが可能で、データの精度も高まる。  新サービスの料金は▽国土交通省地方整備局・北海道開発局、内閣府沖縄総合事務局、他省庁、独立行政法人、高速道路会社など=16万5000円(1ID当たり)▽都道府県、政令市=3万3000円(ID数によらず定額)▽都道府県・政令市の外郭団体、広域水道企業団など=1万6500円(2ID以上が3万3000円)▽市町村、特別区、外郭団体=7700円(ID数によらず定額)。  JACICは新規利用の申し込みを1日に始め、操作説明会を22日に開催する。コブリスと発生土システムは30日、官民マッチングは5月2日にシステムを停止する。 from...