2024年5月27日月曜日

回転窓/頼りにされる力持ち

 かつて力自慢たちが持ち上げて競い合った石を「力石(ちからいし)」と呼ぶ。江戸時代からそうした力比べが盛んだったようで、神社に奉納されて残っているものも多い▼埼玉県越谷市の久伊豆神社にある力石の表面に刻まれた名は、地元出身で日本一の力持ちと称された三ノ宮卯之助。1831(天保2)年、24歳の時に50貫目(約190キロ)の石を持ち上げたと伝えられる。他にはもっと重い力石も現存するというから驚かされる▼2カ月後に迫ったパリ五輪のウエイトリフティング(重量挙げ)に出場する日本代表3選手が今月決まった。夏の五輪で楽しみな競技の一つであり、日本勢の活躍に期待したい▼見た目のパワフルさとは裏腹に柔軟性と瞬発力、精神力も欠かせない繊細なスポーツといわれる重量挙げ。力だけでなく戦略と技術も伴わなければあれほどの重量物は挙げられないだろう▼スケールの大きい仕事を特徴とする建設業だが、綿密な計画に基づいてさまざまな技術を駆使し、細かな作業の積み重ねで構造物は形造られる。こうした面も広く知られ、これからも頼りにされる力強い存在であってほしい。

source https://www.decn.co.jp/?p=163895

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