あまり肩肘張らずに仕事や生活をしていれば、悪いことが重なってもいずれ良いこともあり帳尻は合う。そう思えて好きな川柳がある。〈アバウトに生きて帳尻合っている〉▼川柳作家・加藤佳子さんの句集『川柳作家ベストコレクション 加藤佳子』(新葉館出版)から引いた。同書には社会問題に触れたものや明るく笑えるものなど、全240句の秀作が収められている▼途中はともかく意味が通じて終わり良ければ全て良しとしたくとも、大事な原稿や書類を作成したり確認したりする時などはそうもいかない。気を付けたいのは錯覚。例えば文章中の単語で最初と最後の文字が正しいと、その間にある文字の順番が入れ替わっていても問題なく読めてしまう人が多いという▼これは人間の脳が無意識に補正して理解するためのようで「タイポグリセミア現象」と呼ばれる。平仮名やカタカナが続くと錯覚を起こしやすい▼かつて本欄で、印刷した紙と比べてモニター画面だと間違いを見つけにくいのは、反射光と透過光の違いが理由との説を取り上げた。こうしたことにも脳の働きが関係すると認識し未然にミスを防ぎたい。
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