福島県の里山で暮らす知り合いのご夫婦から、野生のフクロウの写真が送られてきた。裏山にある杉の木に主人が手作りした鳥小屋で育ち、大型連休が過ぎたころにいつの間にか巣立っていったフクロウだという▼新緑がまぶしい森で、白い羽毛のふっくらした姿を確認するのが夫人の楽しみな日課だったとか。くりくりとした大きな目がかわいらしくも、威厳のある雰囲気が印象に残っている。フクロウに帰巣本能はないらしいが、再会を願い巣箱の手入れを二人で始めたそうだ▼6月から森林環境税が徴収される。森林整備などの財源となるもので、個人住民税に上乗せする形で1人当たり年1000円を徴収し、自治体に配分される▼温暖化対策とともに水源の保全や山地の災害防止などさまざまな機能を担っている森林。生物多様性の保全にも欠かせないが、所有者不明の荒廃林対策や整備の担い手確保、木材利用の推進など問題が山積している▼人の暮らしも動植物の成長も豊かな自然があってこそ。新たな税負担から必要な対策が適切に進むことを期待したい。フクロウの帰りを待つ二人もきっとそう願っている。
source https://www.decn.co.jp/?p=163968
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