2025年7月22日火曜日

清水建設/静岡浅間神社大拝殿40年ぶり大改修進む、漆塗りと彩色補修が本格化

 清水建設が静岡市葵区の静岡浅間(せんげん)神社で、国の重要文化財(重文)の大拝殿の保存修理工事を進めている。昭和の大修理(1982~87年)以来約40年ぶりの大規模改修になる。7月からは1階大広間を彩る天井絵10点の漆塗りと彩色を補修する工事が本格化。美術工芸品の修理を専門に手掛ける装こう師(そうこうし)が慎重に作業している。=1面参照


 神社の所在地は宮ケ崎町102の1。大拝殿の工事は神社を運営する神部神社浅間神社大歳御祖神社(中澤聰宮司)が発注した。文化財建造物保存技術協会(文建協)が設計・監理、清水建設が天井絵補修、塗装、耐震補強などを施工している。予定工期は2023年7月25日~28年8月31日。請負金額は約13億円で、平成・令和の大改修全体で約45億円を予定する。
 1804~14年に建造された大拝殿はW造2階建て延べ259・3平方メートルの規模。富士山の姿を表すとされ、漆塗りの木造神社建築で国内一の高さ21メートルを誇る。鮮やかな赤い彩色が特徴だったが塗装などの劣化が激しくなり、14年11月に平成・令和の大改修が始まった。
 10点の絵は狩野派の絵師で江戸時代後期に活躍した狩野栄信、寛信が描いた。サイズは天人など8点が4畳絵(2・3メートル四方)、四方睨龍など2点が6畳絵(2・7メートル×2・3メートル)。「これだけ大きな絵はほぼ残っていない」(文建協)とされ、大きさから補修には漆塗りを手掛ける専門3社、装こう師延べ約1000人と異例の体制を敷く。
 報道陣に補修作業を17日公開した。同日は栄信が描いた「天人」の作業で、装こう師が屋内用高所作業台で高さ約6・3メートルの天井まで昇り、絵を取り外す時に塗料が剥がれないよう仮の剥落止めを施した。清水建設の落合一真所長は「全体の工程や工区割りは複雑だが、品質、安全両面で満足してもらえるよう無事故・無災害で工事を進めたい」と決意表明した。




from 企業・経営 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=175944
via 日刊建設工業新聞

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