古くから親しまれてきた海の行楽に潮干狩りがある。日本独特の文化といえ、春から初夏にかけて各地の人気スポットは多くの人でにぎわう▼行楽としての潮干狩りが発展するのは江戸時代とされる。江戸では昼前ぐらいに潮が引き、潮干狩りを楽しんだ後に皆でお弁当といった行楽コースが確立されていたようだ(原田知篤著『潮干狩りマニアック』パブファンセルフ)▼東日本建設業保証は毎年、浮世絵柄のうちわを顧客に届けている。今年の絵柄は葛飾北斎「冨嶽三十六景」から「東都浅艸本願寺」と「登戸浦」の2種。この「登戸浦」には潮干狩りに興じる人たちが描かれている▼登戸は現在の千葉市中央区登戸のこと。ここら一帯は埋め立てられるまで遠浅の海に面し、海水浴や潮干狩りに絶好の場所であったという(「EAST TIMES」2025春号)▼潮干狩りを描いた浮世絵は多く、〈恐らく江戸の人達を行楽へ誘う宣伝の意味もあったと考えられます〉と原田氏は著書で考察する。場所によっては9月ごろまで潮干狩りができる。時代が移り変わっても、貝を探すのに夢中となる楽しさはきっと変わらない。
from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=175948
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