国土政策研究会(谷口博昭会長)は、東北地方シンポジウム2026を仙台市青葉区のハーネル仙台で8日に開いた。「東北地方の未来を支える建設業の役割と課題~東日本大震災から15年。その先の東北へ~」と題し、インフラを取り巻く状況について谷口会長と石川雅美東北学院大学名誉教授が基調講演した。第2部では担い手確保をテーマにパネルディスカッション。約250人の参加者が、東北のインフラを巡る現状と今後の展望に認識を深めた。
冒頭、東北地域づくり協会の渥美雅裕理事長は「最も深刻な課題は人手不足だ。克服に向けて皆さんと一緒に考えていきたい」とあいさつ。東北地方整備局の小島優局長は「社会資本整備は未来への投資だ。培ってきた経験と教訓をしっかり伝承し、今後に役立てる」と語った。
基調講演で谷口会長は「東北地方のビッグピクチャーから長期計画、実行へ~国土、インフラと建設業の再生~」と題し、インフラの考え方と進むべき方向性を示した。地方再生の実現には、経済面でも地方が主役になるシステムを取り入れた上で、「地方同士を結ぶ広域ネットワークの充実は国の役割」と強調。10年、20年先の姿からバックキャストする戦略の重要性を説き、「費用便益比が1を下回るとしても必要な事業は実施すべき」と、積極的な財政投資を訴えた。
石川教授は「震災復興の経験を踏まえたインフラメンテナンスのLastOneMile」をテーマに、地方で深刻化する担い手不足の実態を踏まえた取り組みを論じた。市町村が管理する小規模橋梁は建設年次や設計が不明なものが多く、職員不足の影響から補修が遅れていると指摘。「周辺自治体と技術職員を融通する仕組みづくりや、インフラメンテナンスに民間の知見を取り入れる体制整備を急ぐ必要がある」と力を込めた。
◇キーワードは「体験」/担い手確保の道筋探る
パネルディスカッションのテーマは「震災の経験を踏まえ、東北の未来を支える社会基盤整備と担い手を考える」。各パネリストが問題提起し、解決策を探った。
東北整備局の中尾吉宏企画部長は、担い手不足を「難局」と捉え「東日本大震災で得た多くの知見に加え、さまざまな主体がそれぞれにできることを持ち寄っていくべき」と連帯の重要性を語った。
仙台市立仙台工業高等学校の春日川孝校長は「将来を考える中学生の時期に、達成感を得られる現場体験実習は効果的」とし、建設業と学校の連携を訴えた。
仙台建設業協会の深松努会長は、杜の都建設協同組合を事例に、地域を守り続ける上で協同組合の有効性を解説。東日本大震災を経験して入社した社員は「建設業の尊さを知っているから辞めない」とも話した。
建設コンサルタンツ協会の田澤光治東北支部長は「地域に精通したコンサルの役割は大きくなっているが、若手の離職者が多い」と危機意識を表明。これを受けて石川教授は「メディアとの親和性が高そう」とし、広報活動に連携を深めることを提言した。
アニメーションを通じ、子どものキャリア形成を支援する「未来補完計画プロジェクト」実行委員会の岡野哲也事務局長と、ソーシャル・デザイナーズ・ベースの山田菊子取締役兼COO(最高執行責任者)は、子どもや女性に向けた広報戦略の必要性を伝えた。
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from 行事 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=187545
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