北陸地方整備局金沢河川国道事務所は、「国道8号浅野川橋下りのP5橋脚耐震補強工事」に3Dプリンター製埋設型枠(3DCP型枠)を活用した。これにより、型枠工の施工日数を約47%縮減。非出水期内での施工完了を達成した。この成果は9月に北陸整備局本局で開催の事業研究発表会で紹介し、深刻な担い手不足の中で在来工法と同等以上の品質確保につながったとして、高い評価を得た。同工事では施工者の明翫組からの提案で3Dプリンターを活用した。工期は2025年8月22日から26年6月30日までだった。
P5橋脚耐震補強工事の内容は、柱補強工、基礎補強工と、地盤の支持力を増すために基礎の底面を広くした部材(フーチング補強工事)などで構成。工期縮減策として、フーチングのRC増厚補強に3DCP型枠を適用して、型枠作業の省力化と施工効率を高めることにした。
同現場は施工場所の近くに中日本高速道路会社管理の高速道路と金沢市道が通り、橋脚桁下には河川堤防があり高さ制限に配慮しなければいけないという条件が課されていた。このため施工方法の選定に多くの制約が存在した。
さらに堤防の開削を伴うため、施工期間が非出水期の11月から5月(浅野川の場合)に限定された。こうした制約があることから、工事を11月から5月の期間内に完了させる必要があった。
特に、掘削・仮設・補強・復旧の各段階で、冬季積雪、降雨や地下水の影響などによる不確定要素が存在するため、工程管理上の余裕は限られていた。これらを解決するための一つとして、フーチングのRC増厚補強に3DCP型枠を活用することにした。
この結果、従来必要だった現場での型枠加工・脱型作業と、足場の設置・撤去作業を省略または削減することができ、工期短縮に大きく貢献した。
フーチングのRC増厚補強に3DCP型枠を活用することで、現場施工日数を従来の15日から8日に、率にして約47%削減できた。
これは、従来工法で必要だった型枠の現場施工・組み立て・脱型といった一連の作業工程が、3DCP型枠の採用で大幅に簡略されたことが要因になっている。非出水期間内に工事を完了させなければいけない同工事では、この47%の施工日数削減効果は、極めて有効だったという。
ただ、工事費は従来工法と比較して287万円(約45%)の増加となった。
これについて金沢河川国道事務所は、3DCP型枠の使用は、従来工法に比べて直接的な工事費は増加したものの、品質向上の効果や非出水期内での施工完了、交通への影響の低減、現場作業の省力化の効果を総合的に考えた場合、合理的な選択だったとの見解を示している。
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