米国人画家、アンドリュー・ワイエス(1917~2009年)の絵画展が愛知県の豊田市美術館で開かれている。米大統領から国民芸術勲章を贈られたワイエスの展覧会が国内で開かれるのは17年ぶりだ▼友人やその邸宅、窓など身近なものを題材に、陰影に富んだ作品を描いた画家のファンは、日本にも多い。今回の絵画展は、同美術館の館長を務め、ワイエスと親交があった高橋秀治氏の企画。巡回展は東京での開催を終え、豊田は23日まで。10月3日から大阪に会場を移す▼同美術館は、かつて七つの国を見渡せたという七州城があった丘に建つ。駅から歩けば住宅街や田園の向こうに山並みまで望め、坂道を心地よい風が吹き抜ける▼建物を設計したのは、文化施設を数多く手がけた谷口吉生。市街が一望できるレストランもあり、四季の自然を眺めながら、菓子とともに一服を楽しめる茶室も設けてある▼ワイエスは、家族の生死や自身の病と向き合いながら、身近な建物や人を描き続けた。変わらない日常の中にある風景は、決して当たり前ではない。心もおなかも満たされ、歩く帰りの下り坂で、そんなことを思った。
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from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=187741
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