2026年9月16日水曜日

時流/復興庁事務次官・天河宏文氏/第3期復興・創生期間の対応に全力

 ◇産業やなりわい再生も重要
 東日本大震災から15年、特定帰還居住区域の除染やインフラ整備、除去土壌の県外最終処分、創造的復興の中核拠点となる福島国際研究教育機構(F-REI)の建設など復興への道のりは続く。2026年度から「第3期復興・創生期間」の取り組みが始まった。府省庁、地方自治体と連携し、一丸となって復興の歩みを進める。
 --就任の抱負を。
 「震災前、福島県に出向していたことがある。復興の仕事に携わるのを天命のように感じる。岩手県や宮城県のようにハード整備がおおむね完了したところがあるが、被災地の状況は地域によって違う。『復興は道半ばにも達していない』という指摘もある。さまざまな状況にしっかり、細やかに対応することが重要だと考えている。原子力災害の被災地の状況は厳しい。第3期復興・創生期間の5年で、できることは全部やるという思いでいる」
 --課題や必要な対応をどう捉えているか。
 「特定帰還居住区域のように帰還の意向のある住民の皆さんができるだけ早く戻れるよう、除染、公共施設の整備などをしっかり行っていく。福島県内で生じた除去土壌を2045年までに県外最終処分する約束がある。中間貯蔵施設で保管されている土壌の約4分の3は、放射能濃度が低く、資材として利用できる。安全性をはじめ多くの国民に理解していただくことが必要だ」
 「再利用や処分の技術的な検討を行っている環境省と連携しながら、約束を果たす努力を続ける。産業やなりわいの再生も大きなポイントになる。生活者目線で取り組みを考えていく必要もある。各省庁から職員が来てくれている。力をうまく束ね、被災地で暮らしていただけるようにするのが課題だと思っている」
 --F-REIの本体建築工事が進む。
 「元に戻すだけではない創造的復興の中核施設であって、新しい産業や動きを生み出す研究や教育の拠点になる。器がしっかりできることで、中身を充実させていかれる。工事への期待はとても大きい。建設業の皆さんは、震災直後の道路啓開や建物の解体、除染などに力を発揮してもらってきた。能登半島地震や26年熊本地震などの復旧、復興も担っている。人の生活を根底から支える重要な産業であって、感謝を込めて引き続きの活躍をお願いしたい」
 --防災庁の設置準備が進んでいる。
 「東日本大震災という未曽有の大災害に対して、復興庁は地元の要望をワンストップで受け止め、調整し、求められる業務を各省庁と効率的に執行する機能を担った。被災地のコミュニティーを再生する取り組みも進めてきた。こうしたノウハウを提供し、参考にしてもらうことが大事だと思っている。震災の記憶の風化に対する懸念があり、教訓や経験の伝承も大切になる」。
 (あまかわ・ひろふみ)1990年東京大学法学部卒、建設省(現国土交通省)入り。99年福島県商工労働部中小企業課主幹、2019年国交省官房人事課長、20年官房審議官〈不動産・建設経済局担当〉、22年都市局長、24年国土交通審議官、25年復興庁統括官兼務。8月4日付で現職。愛知県出身、60歳。


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from 人事・動静 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=187708
via 日刊建設工業新聞

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