親子連れや杖をついた高齢者、車いすの人たちがすいすいと乗り込んでいく。宇都宮市などで昨年8月に開業した次世代型路面電車(LRT)の光景だ。予測を上回るペースで利用され、2月に200万人を突破した▼国土交通省が26日発表した2024年の公示地価では、LRT沿線の居住環境が良好な住宅地を中心に高い上昇となった。ウオーカブルな街のシンボルとして全国の注目を集める▼全用途で上昇率1位は熊本県大津町の商業地の地点。台湾積体電路製造(TSMC)が同県菊陽町に半導体工場を建設した影響で、隣接地域を含め多岐にわたる需要が盛り上がっている▼ただ、すべてが右肩上がりではない。石川県珠洲市の地点は、商業地で最も下落率が高かった。能登半島地震の影響は反映されておらず、人口減少などもともとの厳しい状況が背景にある▼地域の魅力向上は容易ではないが、戦略的な取り組みが花開いていることも事実。値段が上がることに翻弄(ほんろう)されるのではなく、価値と共に価格を上げていくのがあるべき姿。成長が当たり前の時代を目指し、前向きな気持ちで新年度を迎えたい。
source https://www.decn.co.jp/?p=162244
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