2024年3月13日水曜日

回転窓/温かいお別れ

 近所の少年サッカーチームでベテランコーチとのお別れ会が先日開かれた。言葉が厳しいせいか、低学年の選手や保護者には誤解されやすい一面があったのだという▼高学年になるにつれて慕う選手が増えていくコーチで、「小さいころ嫌いだったけど今は好き。褒められるとうれしい」と話す6年生の何人かが別れを惜しんで涙を流していた。厳しくも的を射た指摘に納得してきた保護者からは感謝の言葉が相次ぎ、温かい思い出になった▼今年も季節柄、別れの連絡をいただくのが増えた。「少しのんびりするつもりです」。交通運輸系のメディアを離れる公私でお世話になった記者からのメールに、そう書き添えてあった▼異動、転職、退職など、さまざまな事情で4月から環境が変わる人は多い。身近な人には出会いに感謝し、これからの活躍を願って「どうぞお元気で」と送り出したい▼サッカーチームのお別れ会で、ベテランコーチの職業は漁師であり、早朝の仕事を終えてから指導していたことが初めて明かされた。知らない一面ばかり。いずれ別れの時が来るなら、お互いを知る機会をもっと増やしていきたい。

source https://www.decn.co.jp/?p=161786

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