動画を2倍速で視聴する人が増えているという。短い時間でより多くの情報を得たい気持ちは分かるが、話し方や会話の間を「無駄」として省くようでどうも馴染めない▼石川県能登町の海沿いにあるスルメイカの巨大なモニュメント「イカキング」は、1月の能登半島地震で津波にさらされながらもほぼ無傷で残った。かつて「無駄遣い」と批判を浴びたが、復興に向け住民の心を支えている▼同町の能登小木港は「日本三大イカ釣り漁港」で知られる。盛んなイカ漁をPRしようと、特産のスルメイカを全長13メートル×幅9メートル×高さ4メートルの大きさでリアルに再現した▼観光施設「イカの駅つくモール」に設置されたのは2021年3月。製作費に新型コロナウイルス対策の臨時交付金約2500万円が充てられたため、コロナ対策とは無関係な支出として国内外で報じられた。だが多くのメディアに取り上げられたことで観光客が増え、予想以上の経済効果が生まれたそうだ▼限られた財源を有効に活用するのは大前提だが、一見無駄のように見えるものにも代えがたい価値があったりする。無駄を楽しむ豊かさにも目を向けたい。
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