近所の小学生と保護者らが登校前に、公園で写真を撮影していた。卒業式を間近に控えた6年生の思い出の写真を残そうとのこと。卒業する児童を兄弟姉妹らが囲み、「おめでとう」と声を掛ける姿がほほ笑ましかった▼成長して6年間背負い続けたランドセル姿もこれで見納めかと感傷に浸る保護者のそばで、子供たちは卒業式の髪形や進学先の中学校の制服の話で盛り上がっていた▼卒業式が近づく中で、小学校の校長や担任の先生が児童らに災害の話をよくしてくれたという。能登半島地震が発生した年に卒業するだけでなく、6年生の多くが東日本大震災のあった2011年生まれのためだ▼先生たちは災害への備えに加え、「思いやり」や「感謝の気持ち」を持つことに言及。マスクを着用し、周りとの会話が制限されたコロナ禍も経験した卒業生らに、人とのつながりの大切さを伝えて送り出したかったようだ▼公園で写真を撮り終えた6年生が「今日までありがとう。みんな頑張れ!」と発した言葉から、恩師の教えがしっかり伝わっていることがうかがえる。これから出会う人たちとのつながりも大事にしてほしい。
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