2023年8月24日木曜日

回転窓/近づく未完の終わり

 工期を定める建設工事で「未完」と形容される建造物は少ない。中でも未完の聖堂として広く知られる世界遺産がスペイン・バルセロナのサグラダ・ファミリア。着工から約140年経過した現在も建設が続いている▼建築家アントニ・ガウディが40年以上にわたり聖堂の姿を練り上げ、建設に情熱を傾けた。だが完成には長い年月を要することに。一時は新型コロナウイルスの影響で工事が中断するも2020年10月に再開された▼建物の中心に位置する最も高いイエスの塔が、ガウディの死後100年に当たる26年の完成予定となり、一部はまだ残るが「未完の終わり」が視野に入ってきた。竣工を楽しみにしながらも、未完の聖堂の姿が見られなくなるとさみしさも覚える▼東京・北の丸公園の東京国立近代美術館で展覧会「ガウディとサグラダ・ファミリア展」が開催中。お盆休みに鑑賞し、多くの図面や模型、最新映像でガウディ建築の魅力に引き込まれた▼〈人間は創造しない。人間は発見し、その発見から出発する〉(展覧会ポスターより)。東京会場の会期は9月10日まで。続いて滋賀、愛知の会場を巡回する。

source https://www.decn.co.jp/?p=155792

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