2024年1月15日月曜日

回転窓/無駄にしないDNA

 日本で一般的な1日3回の食事が広まり始めたのは、江戸中期と言われる。それ以前は体力を使う仕事の人たち以外、朝と夕の1日2食だったようだ▼江戸時代に多くの食に関する本も刊行され、その数は180冊を超えるという(『お江戸ごはんの献立帖』ホビージャパン発行)。当時どんな料理が好まれていたのか興味をそそられる▼そうした関心に応えてくれる料理家・福田浩氏監修の同書は、疲れが癒やされる元気レシピの一つに「鯛(たい)の青淵汁(とろろじる)」を紹介している。だし汁にみそを溶いて冷まし、これを素焼きした後にすり鉢ですった鯛の身と山芋のとろろに加える。酒も入れて最後にこしょうを少々。シンプルな一品だが江戸っ子のグルメっぷりが分かる▼現代の日本では食品ロスが大きな問題に。政府が昨年末まとめた削減対策には賞味期限の延長などが盛り込まれた。来年度中に賞味期限の計算方法などが定められた現行指針を見直す方針だ▼循環型社会を構築していた江戸時代に、いずれ食品ロス問題が生じることなど予想できただろうか。食べ物は無駄にしない、そんな日本のDNAを活性化させなければ…。

source https://www.decn.co.jp/?p=160109

0 コメント :

コメントを投稿