平安時代末ごろの作家・鴨長明は、随筆「方丈記」に京都で起きた元暦の大地震(1185年)について書いている▼〈山は崩れて河を埋み、海は傾きて陸地をひたせり。土裂けて水湧き出で、巌割れて谷にまろび入る〉。この中で〈土裂けて水湧き出で〉は液状化現象を表現したものと言われ、現代にも貴重な地震被害の記録として伝えられる▼1日の能登半島地震では新潟市内で液状化被害が相次いだ。西区などを中心とした地域の被害は大きく、多くの建物や塀、電柱が傾き、道路の至るところに陥没や亀裂が生じた▼地震から11日後、被災した住宅街を訪れた。水浸しの道路の脇には土砂が盛られ、広い範囲に噴砂の跡が。その日はすれ違う人がほとんどいなく、工事関係者らが作業に当たっていた。地元の人の話によると、被害に見舞われたのは旧河道の地域だという▼地面が裂けて水と土砂が噴出し、建物も横倒しになるなど甚大な被害を及ぼす液状化。この研究は60年前の新潟地震(1964年)を契機に本格化した。地震国の日本で繰り返される液状化被害をどう防いでいくのか。依然難しい課題と言わざるを得ない。
source https://www.decn.co.jp/?p=160347
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