2023年10月17日火曜日

回転窓/花粉症の特効薬

 国民病とも言われる花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)は、完治が難しく、患者数も年々増えている。秋もブタクサなど草の花粉症がシーズンを迎えているが、春先のスギやヒノキと比べると有病率は低いようだ▼スギ・ヒノキは戦後の復興期に木材需要の急増を見込み、国の拡大造林政策によって全国各地で植林が進んだ。特にスギは北海道の南部から九州にかけて広い地域で植えられている▼その後、安い外材に押されて国産材の需要は低迷。伐採が進まずに成長した人工林からは大量の花粉が放出されることに。近年は花粉量の増加や体質の変化などにより、発症までの期間が短くなり、いまや3人に1人がスギ花粉症とも言われる▼政府はスギにターゲットを絞り、花粉症対策の強化に乗り出す。先週の関係閣僚会議で来年の飛散時期を見据えた「初期集中対応パッケージ」をまとめ、発生源の人工林の伐採や花粉の少ない品種への植え替えなどを重点的に進める区域を本年度中に設定する方針だ▼住宅などを中心にスギ材市場の拡大も後押しする。花粉症患者にとどまらず、経済対策としても特効薬の効果を期待したい。

source https://www.decn.co.jp/?p=157607

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