琵琶湖の東岸に位置し、水郷のまちで知られる滋賀県近江八幡市。江戸~明治期に活躍した近江商人の発祥の地でもあり、商人らが暮らした昔ながらの街並みが今も残る▼地域の経済を支えてきた八幡堀は1585年、豊臣秀吉のおいの秀次が八幡山城の築城を機に、琵琶湖につながる運河(全長約4・7キロ)として建設された。特に江戸時代は水運の流通拠点となり、八幡商人たちが全国に商いを展開していく基盤となった▼そのような地域に欠かせないインフラにも存続の危機が訪れる。昭和の経済成長期に運河としての利用価値を失い、埋め立て計画が浮上。しかし「堀は埋めた瞬間から後悔が始まる」を合言葉に市民らが保存再生運動を展開し、今では重要な観光資源となっている▼本日発行の本紙創刊95周年特集号(第2集)では「持続可能性」をキーワードに、地域の観光・交通にもスポットを当てている。社会インフラが持つ機能や役割も時代とともに多様化が進む▼売り手・買い手が満足し、社会にも貢献する「三方よし」を経営理念に掲げた近江商人。持続可能な国づくりの上で、先人たちから学ぶべきことは多い。
source https://www.decn.co.jp/?p=158023
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