2023年10月4日水曜日

回転窓/棚田がくれる実り

 自然豊かな景観とふるさとの伝統文化を後世に伝えようと農林水産省が設けた「つなぐ棚田遺産」。全国から推薦のあった271の棚田を認定している▼建設会社がオーナーとなって田植えや稲刈りを行っている棚田もあり、関東地方で先月、この会社の社員と家族らも参加して稲刈りが行われた。アユの塩焼きなど旬の食材を使った料理も振る舞われ楽しい一日になったようだ▼「地方整備局長に褒めていただいた」と話すのは同社の経営者。インフルエンザと新型コロナウイルスの再流行が懸念され、相応の感染防止対策を講じる必要があったが、そうした親睦を促す取り組みについて好意的に評価してくれたという▼物価高騰など事業環境は厳しく、コロナ禍の影響もあり社員同士、社員と会社の距離感を心配する経営者も少なくない。棚田のオーナーである建設会社は「対面の機会を増やそう」と稲刈りをみんなで行うことにした。収穫した米を入れる袋には習字に熱心だった先代社長が好んだ「和」の文字をデザインする▼人の輪で成り立っているのが建設業。棚田で深めた絆が社業の発展につながるよう期待したい。

source https://www.decn.co.jp/?p=157228

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