約2年にわたる値上げの波は身近な食品や光熱費だけでなく、さまざまなモノやコトに広がっている。その一つが社寺の拝観料。先日、奈良市にある東大寺が資材高騰で文化財の修理費用がかさんでいるなどを理由に、来年4月から大仏殿などの拝観料を値上げすると発表した▼大仏殿、法華堂(三月堂)、戒壇堂、東大寺ミュージアムの各拝観料を大人(中学生以上)600円から800円に、小学生300円から400円に引き上げる。30人以上の一般団体は550円から700円とし、高校生以下は据え置く▼寺によると、新型コロナウイルスの感染拡大により参拝客が減り財政状況が悪化。2019年に300万人を超えた参拝者数がコロナ禍で2~3割に激減し、積立金を切り崩すなどしてしのいできたそうだ▼数年以内に南大門の屋根の修理を予定するが、資材価格の高騰で調整が難航。老朽化した防災・防犯設備の更新や防犯カメラの設置も必要という▼こうした悩みは多くの社寺が抱えていよう。拝観料の値上げは訪れる人にとってあまりいい話ではないが、値上げ分を文化財の保護に生かし未来につないでほしい。
source https://www.decn.co.jp/?p=158936
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