韓国の大型貨客船・セウォル号沈没事故から今年で10年がたった。乗客乗員合わせて300人近くの尊い命が奪われた同国史上最悪の海難事故となった。チェジュ(済州)島に向かう船旅を満喫していた乗客の中には修学旅行中の高校生もおり、子を失った親の無念さは想像にかたくない▼安全基準を超過した貨物の過積載や船の違法改造、救命設備の不備などいくつかの要因が重なって事故は起こった。この一件を契機に海洋安全施策が強化された▼不幸な事故は突然やってくる。建設業は高所作業が多く、労働災害の大半は転落や墜落が占める。国は2019年にフルハーネス型安全帯の装着を義務化するなどの強化策を推進。企業側も不安全行動の排除に努め、23年は死亡災害件数が前年と比べ2割減少したことが厚生労働省の調査で分かった▼全国安全週間(7月1~7日)を前に、今年も安全大会が始まった。災害ゼロを誓う力強い声が会場内に響き渡る▼沈没した船を所有する船会社は利益を優先するあまり安全管理を怠っていたという。「安全は全てに優先する」。これからも繰り返して肝に銘じなければならない。
source https://www.decn.co.jp/?p=164218
0 comments :
コメントを投稿