国土交通省は地域建設会社が抱える災害対応時の課題を調査し、平時の備えを強固にしてさらなる迅速対応につなげるための方策をまとめた。発災直後の状況把握の難しさを打開するため、遠隔・無人で現地状況を確認できる装備(ウエアラブルカメラやドローン)の有効性を指摘。行政機関からの指示待ちや情報の錯綜(さくそう)で初動対応が遅れる実態があることを踏まえ、建設会社や建設業団体として災害情報の共有・提供システムを活用したり、行政機関に技術者を派遣・常駐させたりする方策を提案した。
調査は全国建設業協会(全建)、全国中小建設業協会(全中建)、建設産業専門団体連合会(建専連)の会員企業に依頼。2023年10、11月に988社が回答を寄せた。併せて収集した好事例も含めてホームページなどで公開し建設会社などに取り組みの参考にしてもらう。
多くの会社は平時の対応として企業規模を問わずブルーシートや土のう袋などの資材を備蓄し、現場配置可能な建設機械を用意している。ただ、それらの調達や維持管理のコスト負担を課題に挙げる声が多かった。国交省は災害対応力を強化するため自治体などが用意する補助制度の活用とともに、地域建設会社自らが購入・管理コストの低減策を検討する必要性を指摘。他業種も含めた備蓄コストの低減につながる事例を建設業団体などを通じ収集する取り組みなどを提案した。
事前に設定した判断基準がうまく機能せず初動対応に遅れが生じたケースや、被災状況が十分に確認できず現地対応や安全確保に時間を要したとの意見も多い。ドローンなどを活用すればリアルタイムで現地状況を把握でき、行政機関と共有することで災害対応方針の検討にも有効とする。
災害協定や維持工事契約を結ぶ行政機関による判断の遅れや、複数の行政機関から対応要請を受けることによる混乱も課題に挙がる。デジタル庁が公開する「防災DXサービスマップ」など災害情報の共有・提供システムの活用を促し、災害対応の予測能力の向上などを図ることを期待。行政機関との連携強化に向け、技術者を派遣・常駐し支援することも提案する。
from トップニュース – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=166315
via 日刊建設工業新聞
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