〈庭の木にらんぷとゞいて夜の蝉(せみ)〉(正岡子規)。最近、最寄り駅の改札を抜けると、夜中でもセミの大合唱に出迎えられる。駅ホームを照らす電灯の明かりに加え、連日の猛暑で夜も気温が下がらず、セミも昼間と勘違いしているようだ▼国内には約30種類のセミが生息するそう。それぞれ地域差はあるが、羽化して地上で鳴き始める時期は4月下旬のハルゼミ等を除き、大半は6月下旬から7月にかけて。ツクツクボウシは10月ごろまで鳴き続けるという▼鳴く時間帯もさまざま。ニイニイゼミは早朝から宵の口まで。クマゼミは午前、アブラゼミは午後が中心だ。ヒグラシは名前の通り夕暮れ時だが、空が白けて日の出前までのわずかの間に鳴くことも▼温暖化の進展はセミだけでなく、多くの生き物に影響を与える。気象庁がまとめた7月の天候によると、平均気温は太平洋高気圧などの影響で平年を2・16度上回り、前年同月の記録(平年差プラス1・91度)を更新。1898年の統計開始以来で最も暑い7月となった▼暦の上ではあすは立秋だが、猛暑が収まる気配は感じられない。セミしぐれとともに寝苦しい夜が続く。
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