100年前のきょう1日、建築家フランク・ロイド・ライトが設計した帝国ホテルの2代目本館が東京都内で開業した。豊かな装飾や幾何学模様の内装などが調和した名建築。あまりの美しさから「東洋の宝石」と称された▼同日昼、首都圏は関東大震災に襲われる。建物倒壊や火災、津波などで死者・行方不明者は10・5万人に上った。だがライト館の被害は軽微で、被災企業らの復興拠点として機能した▼関東大震災は社会構造を変えていった象徴的な出来事の一つとされる。デマが飛び交い不幸な虐殺事件も起きた。大正デモクラシーの雰囲気は一掃され、金融恐慌などを経て戦争へと突き進むことになる▼歴史に「もしも」はないが、仮に大部分の建物などが地震に耐えていたら、どうなっていただろう。市民が不安に駆られ経済が低迷する事態は避けられ、未来は変わっていたかもしれない▼インフラや建物は社会基盤と呼ばれる。構造物としての機能だけではなく、社会そのものを支えているということ。その担い手である建設産業は、平穏で豊かな社会を守る最前線にいる。この大切な役割はこれからも変わらない。
source https://www.decn.co.jp/?p=156054
0 comments :
コメントを投稿