2023年9月28日木曜日

回転窓/近現代建築の貴重な資料

 建築家の伊東豊雄氏が最初期に取り組んだ建築のスケッチや図面、模型などをカナダ・モントリオールのカナダ建築センターに寄贈する。貴重な資料が海外に流出するのは残念だが、世界有数の建築ミュージアム・リサーチセンターに収蔵され、散逸や劣化は免れるだろう▼日本でそうした重要な役割を担う公共機関が文化庁「国立近現代建築資料館」(東京都文京区)。近現代建築の図面や模型などを収集・保管・展示する拠点であり、2013年5月に開館した▼一部の建築家のリトグラフなどに市場価値があるようだが、この資料館はお宝集めが目的ではない。建築の文化的側面に重きを置き、寄贈によって歴史資料を収集するという基本姿勢に共感を覚える▼開館10周年を記念した特別展「日本の近現代建築家たち」が2部構成で開催中(1部10月15日まで、2部11月1日~24年2月4日)。これまでの活動とともに、日本の近現代を創り上げてきた12人の建築家たちのコレクションを紹介している▼世界に誇れる日本の建築文化を多くの人に知ってもらい、次の世代へと受け継いでいく。そんなきっかけになってほしい。

source https://www.decn.co.jp/?p=156836

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