2023年9月21日木曜日

回転窓/120年ぶりの大規模修理

 先日の3連休は9月と思えない暑さに見舞われ、外出を極力控えた。今年は10、11月にもそれぞれ3連休があり、秋の小旅行を楽しみにしている人も多いだろう▼旅先で社寺を訪れると、改修工事のために仮設の素屋根で覆われた建物を見ることがある。外観を見学できず残念だが、素屋根の下では文化や技術を継承する大切な作業が行われているのだと考えれば我慢もできる。時には見学可のチャンスに巡り合え、非常に貴重な体験となる▼奈良市にある興福寺の国宝・五重塔で約120年ぶりとなる大規模修理が7月に始まった。2031年3月までの予定。素屋根の設置後、塔は解体せずに瓦屋根のふき替えやしっくい壁の塗り直しなどを行う▼塔には約6万点の瓦が使用されている。1900~02年に修理したが、屋根全体にかけて瓦のずれが見られるなど劣化が進んでいた。瓦の状態を一つ一つ確かめ、使えるものは再度使用するなど丁寧な修理をしていくという▼素屋根の設置は来年7月ごろに終わる。古都奈良でシンボルの一つとなっている五重塔とはしばらくの間お別れとなるが、関心を持って見守っていきたい。

source https://www.decn.co.jp/?p=156614

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