近所の河原を散歩していたら、土手の一面に真っ赤なヒガンバナが咲いていた。厳しい残暑が続いていた関東地方だが、秋の彼岸を迎えて気温が下がり、秋を告げる草花の開花も一気に進んだとみられる▼「秋分の日」だった先週末の23日は、太陽が真東から昇り、真西へと沈んだ。昼と夜の長さがほぼ同じとなり、これから冬至に向かって昼はだんだん短くなっていく。一方、「春分の日」は逆に夏至に近づくにつれて昼の時間が長くなる▼暑さ寒さも彼岸まで--。厳しい暑さは秋の彼岸、寒さも春の彼岸を過ぎれば、過ごしやすくなるとはよく言ったもの。四季の移り変わりに敏感な国民性ならではの言葉だろう▼お彼岸に墓参りを行うのは、太陽の日周運動とも関係する。仏教で西方にあるとされる極楽浄土には、太陽が真西に沈んだ日に最も近づけるという考えが広まり、先祖の供養と結び付いたようだ▼〈旅の日の いつまで暑き 彼岸花〉(臼田亞浪)。一昔前の俳人も長引く残暑にうんざりした様子がうかがえる。脱炭素化の取り組みで地球温暖化に歯止めをかけ、美しい四季の景色がなくならないよう願いたい。
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