2023年9月8日金曜日

回転窓/下水道がなかったら

 「昔の多摩川は本当に汚かった」。地域の昔の姿や街づくりを話すイベントで地元の方に聞いた。「大雨で町中に水があふれて汚れや臭いがひどかった。快適になったのはつい最近だ」とも▼地元では土地区画整理事業が進行中で、街並みが大きく変わりつつある。建物に目が行きがちだが、最も大きな変化は下水道。急行停車駅にもかかわらず、駅近くの一部のトイレはくみ取り式のままだった▼汚れた川の水があふれて、家も悪臭で包まれる--。東京都が下水道教育用に制作した漫画「もしもこの世界に下水道がなかったら」では、こうした世界が描かれている▼日本で大都市以外も含めて下水道が本格的に広がったのは、第2次世界大戦以降。下水道事業を行う市町村が全体の5割を超えたのは1993年のことだ▼これからは快適な当たり前の暮らしを、どう維持するかがより問われる時代と言えよう。9月10日の「下水道の日」に合わせて各地でイベントが開かれる。親子向け行事が多いが、しっかり理解しておくべきは大人の方かも。整備や維持管理を担う建設産業の一人一人が伝えていくことも大きな力になる。

source https://www.decn.co.jp/?p=156271

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