東京・渋谷駅の連絡通路にある岡本太郎の巨大壁画「明日の神話」をご存じだろうか。メキシコで制作し、1969年に仮設置されたが行方不明に。2003年に同国で発見され、再生プロジェクトを経て08年から渋谷に落ち着いた▼「芸術は暮らしの中に生きるもの」という岡本の芸術観に沿った場所だが、15年たち傷みが進行。明日の神話保全継承機構(西村友伸理事長)が大規模な改修・修復を行うと21日発表した▼初弾の修復は10月から行われる。絵画修復家の吉村絵美留氏が参画。裏面からの補強や激しい汚れの除去、亀裂部分の再接着など繊細な作業が進められる▼絵画の修復では容易に除去できる材料を使用し、修復箇所が判別できるようにしておくという。将来より良い材料ができた時に、置き換えられるようにするための準備だ。以前に聞いた講演で吉村氏は「芸術家というより、むしろ技術者」と話していた▼豊かな都市にとって芸術は欠かせない要素。同機構は協力を募るクラウドファンディングを実施中だ。「明日の神話」が100年後も多くの人を魅了しているよう、支援の輪の広がりを期待したい。
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