2024年4月22日月曜日

回転窓/地球環境時代の早生桐

 もうすぐ桐の木が淡い紫色の花を咲かせる時季である。桐は昔から縁起がよく幸福をもたらす花木とされ、身近なもので500円硬貨の表にも描かれている▼桐の材質は軽くてやわらかいが丈夫で、調湿性や耐火性に優れる。日本の気候風土に合い、家屋の内装や家具、下駄、箱などの材料に広く使われてきた▼ここ数年来、地球環境保全の観点から大きく注目されている桐がある。「早生桐」と呼ばれる早生樹の一種で、一般的な桐と比べても成長が早く、わずか5、6年で成木になるという▼特徴は成長の早さだけでない。スギやヒノキと比べて1年間の二酸化炭素(CO2)吸収量は数倍とも言われる。空港会社や電力会社、建設関連会社などがその特性に着目し、各地で実証事業や試験栽培も含めた植栽が行われている。自治体の関心も高く、群馬県安中市は昨年度から植栽に対する補助事業をスタートさせた▼政府が掲げる2050年カーボンニュートラル実現に寄与し、一方で植樹から伐採、供給までのサイクルが短く持続的な林業経営にもつながる。地球環境時代に幸福をもたらす木として早生桐への期待は膨らむ。

source https://www.decn.co.jp/?p=162937

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