2024年4月30日火曜日

回転窓/夢中になれるものを

 東京・虎ノ門の港区立みなと科学館で開催中の企画展「すごいぞ!昆虫総選挙」(会期5月26日まで)を先日訪れた。展示や体験コーナーなどに趣向が凝らされ、個性的な昆虫たちの特徴がよく分かる▼総選挙はカブトムシやモルフォチョウなど15種がエントリーし、来場者がすごいと思った昆虫に投票する。最終日にナンバーワンが決まるが、会場で中間結果も発表されていて楽しい▼昆虫好きで知られる養老孟司東京大学名誉教授(解剖学)に『養老先生と虫』(山と渓谷社)とタイトルの付いた著書がある。この中で「虫を見てなにがわかるか」を一つのテーマに持論が展開される▼何か分かろうと虫を見ているのではなく、ただ面白いから見ているうちに何かが分かってしまうと。そして同書の終わりにこうつづっている。〈子どものときに何かに夢中になったことがあれば、いつでも自分が満足できる状況を探すようになる。そのこと自体が生涯にわたり、あらゆる面でその人を支えていく〉▼来月5日は「こどもの日」。養老氏のエッセーを読んで思う。子どもたちがそれぞれに夢中になれるものを見つけられますように。

source https://www.decn.co.jp/?p=163137

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