2024年4月5日金曜日

回転窓/チェーンと個人店

 玩具などを扱う地元の個人商店が3月末で閉店した。60年以上続いていたが、街づくりが進む中で移転を余儀なくされ、賃料が上昇している状況での事業継続は難しいと判断したようだ▼最終日に立ち寄ると常連客や親子連れで行列になっていた。インターネット上に商品一覧などは出しておらず、掘り出し物を探しにマニアも来ていたよう。前に並んでいた中年客は数万円の商品を買っていった▼地元では大型商業施設が今月オープンするが、全国展開のチェーン店ばかりが並ぶ。物価や賃金の上昇が向かい風となり、個人経営がより一層厳しくなっているというのが一般的な見方か▼とはいえ大手以外にも行列になる店はある。ある再開発ビルでは当初想定していなかった高級食材店が入居。不安の声もあったようだが、ニーズが合致し連日にぎわっているそう▼社会や環境に配慮する「エシカル消費」や、共感などを重視する「エモ消費」が広がっている。地域に根差した多彩な個人店と、均質なサービスを得られる大手チェーンでは役割が異なる側面もあろう。特長を生かしてどちらも発展していく街づくりを期待したい。

source https://www.decn.co.jp/?p=162440

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