建築評論家の馬場璋造氏(1935~2021年)は、00年2月4日付本紙に「建築界のパラダイムシフトの行方」と題した文章を寄せている。冒頭に書いたのはコンピューターの誤作動が懸念された「2000年問題」のこと▼「1900」の上2桁を省略した結果がこの問題であり、当時起きた東海村のウラン加工施設臨界事故なども関係者に省略の意識が働いているからだと指摘。知恵を省略の方に向けてはいけないと警鐘を鳴らした▼建設・不動産業は幾たびか「20××年問題」に直面してきた。オフィスの供給過剰でテナント獲得競争が激化する「2003年問題」。世界的な金融危機などを背景にオフィス需要が減退する「2010年問題」も取り沙汰された▼団塊世代の大量退職が始まる「2007年問題」も記憶に新しい。これを契機に技術・技能の継承が喫緊の課題として広く認識されたと言えよう▼4月から建設業に時間外労働の罰則付き上限規制が適用された。いわゆる「2024年問題」では、さまざまな知恵を集約しながら継続的な取り組みが必要だ。建設業のパラダイムシフトが本格化していく。
source https://www.decn.co.jp/?p=162515
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