2023年7月13日木曜日

回転窓/最悪の事態も念頭に

 台風の影響で前線活動が活発化し大雨の恐れがある--。2018年7月豪雨は、この気象現象がいかに恐ろしいかを思い知らされる災害であった▼台風7号と梅雨前線に伴う記録的な大雨が7月5日から8日まで続き、西日本を中心に広い範囲で河川の氾濫や土砂災害などが発生した。死者・行方不明者は200人を超え、家屋の全半壊や浸水などが5万棟以上に及んだ▼岡山県倉敷市真備町では小田川の堤防が決壊し、町内約1200ヘクタールが浸水。同15日に町を取材した時、既に堤防の締め切り盛り土の施工が完了していたが、町中に災害廃棄物があふれ大規模水害の爪痕を残していた▼翌年9月に再訪するとがれきは姿を消し、国の緊急治水対策プロジェクトが動き出していた。対策のメインは堤防決壊を防ぐための小田川合流点付け替え事業。現在も継続中で、今月3日時点で工事の進捗(しんちょく)率は81%だという▼被災したインフラの復旧復興や強靱化対策には長い年月がかかる。完成までの間に大雨が降れば、災害に再び見舞われる危険性もある。最悪の事態も念頭に置き、災害への事前の備えを急がねばならない。

source https://www.decn.co.jp/?p=154708

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