米国人ジャーナリストのジョン・ガンサー(1901~70年)は、インタビューの名手として知られた。どのように人を取材したのか興味は尽きないが、自著の中で質問リストが公開されているという▼その内容は趣味や仕事のやり方、あだ名、部下に対する態度、飲食物の好みなどさまざま。直接のテーマでなくてもこれらのいくつかの個人的なことを聞ければ、より内容の濃い取材となるのは想像に難くない▼この話は小欄が新人時代に読んだ1990年発行の書籍『取材術』(片山修著、PHP研究所)から引いた。久しぶりに本を開くと、当時の新米記者が気になった箇所なのだろう、いくつものページの角が折られている▼一つは〈雑談を通じて個人的側面を知る〉と見出しの付いたページ。ここにガンサーのことが書かれている。取材者に限らず、ビジネスシーンなどでも雑談がいかに大切かは多くの方が知っておられよう▼同書は〈ホンネが聞きたいのなら、それが聞ける雰囲気を作る努力をすべき〉とも説く。何年たってもインタビューするのに慣れなどなく、だから難しくもあり楽しくもあるのかもしれない。
source https://www.decn.co.jp/?p=155212
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