神戸市は、動物園やスポーツ施設などを備える「市立王子公園」(灘区王子町)の大学誘致に向けた公募で、学校法人関西学院(兵庫県西宮市)を優先交渉権者に選定した。同公園の再整備に伴い、現「王子スタジアム」がある園内東側敷地(約3・5ヘクタール)に大学を設置・運営する。六甲山など緑豊かな景観と調和、公園と一体化し、街に開かれたキャンパスをコンセプトとする。2029~31年ごろの開設を目指す。 大学の設置・運営に当たって、土地は市が有償で譲渡する。公募段階の譲渡予定価格は100億円(1平方メートル当たり約28万5000円)としていた。 提案概要によると、設置大学の名称は「関西学院大学王子キャンパス」。教育コンセプトとして、予測困難なVUCA(変動・不確実・複雑・曖昧)の時代を前向きに、他者や異分野と協働して地域や世界の課題解決に取り組み、イノベーションを起こす人材の育成・輩出を目指す。 キャンパス規模は学生数が約4000人、教職員が約200人を想定。キャンパスをイノベーションエコシステムのハブに位置付け、国際性を豊かに持つ教職員と学生が産官学民で起業支援などの取り組みを展開する。多世代が気軽に訪問できる空間として、地域住民や公園利用者などにキャンパス内の諸施設を開放する。 景観面では、緑豊かな六甲山系の山並みと調和したランドスケープや校舎配置を計画する。中庭などの外部空間を開放し、公園利用者や地域住民が気軽に訪問できる空間を提供。食堂やテラス、オープンラボなどの諸施設も一般開放する。 市と優先交渉権者で覚書を交わした後、事業実施計画の策定し基本協定を結ぶ予定。都市計画の変更手続きを経て、土地譲渡契約を締結、市議会の土地処分議決後に土地を引き渡し、キャンパス整備工事に着手する。
王子キャンパスイメージ(神戸市提供) source https://www.decn.co.jp/
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