2023年7月20日木曜日

回転窓/設計意図を探ろう

 近代建築の巨匠ル・コルビュジエが考案した尺度「モデュロール」は、建物の寸法体系として世界的に知られる。男性が手を上げた姿に比率を当てはめたイラストで目にした方も多いだろう▼人間の身体に沿った建築を目指したコルビュジエは、人体の寸法と黄金比を基に2種類の尺度を作り出した。このモデュロールの寸法を足したり、隣り合わせたりして使うことで建築に統一感やリズムを生んでいる▼外観や展示室などにモデュロールが使われた「国立西洋美術館」(東京・上野公園)は日本で唯一のコルビュジエ作品であり、2016年に世界文化遺産に登録された。20年10月~22年4月の約1年半も休館して前庭をリニューアル。本来の設計意図が正しく伝わるよう開館時の姿に可能な限り戻した▼久しぶりに美術館を訪ねると、前庭にこれまで気付かなかったモデュロールを発見。あみだくじのような床の目地割りが実は建物と同じ寸法体系でデザインされていることに驚いた▼子どもたちの夏休み期間中、美術館や博物館では企画展がめじろ押しだ。展示内容だけでなく、建物に込めた建築家の意図を探るのも面白い。

source https://www.decn.co.jp/?p=154914

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